フィギュアスケート界で、性的マイノリティーであることを公表してきたスケーターは少なくない。米国代表で五輪2大会に出場したジョニー・ウィアさん(34)もその一人。「ホモフォビア(同性愛嫌悪)はまだスポーツ界に存在する」と嘆く。

 プロスケーターの他、衣装デザイナーや解説者として幅広く活躍。芸術的な滑りと個性的なファッション、歯に衣(きぬ)着せぬ言動で人気を誇る。自身のセクシュアリティーを「そうやって生まれてきただけ」と捉えているが、2011年に自伝で同性愛者と公表するまでは苦い思いをし続けた。

 初出場で5位だった06年トリノ五輪で、リンクから戻ると記者からこう問い掛けられたのを覚えている。「ジョニー、君はゲイだよね?」。メダルを逃した失意の中でも、せめて演技について聞いてほしかった。「この質問はスケート人生を通して自身に付きまとった」と述懐する。

 4年後の10年バンクーバー五輪では6位。程なく、うわさが聞こえてきた。カナダのコメンテーターが性別判定テストを受けさせようと言っている−。「この4年間で誰も何も学んでいない。自分が声を上げなくては」と思ったという。

 昨年の平昌五輪で、少し風向きが変わった。ゲイを公表しているアダム・リッポンが、同性愛者の矯正を支援していたとして米国選手団長のマイク・ペンス副大統領に異議を唱えると一定の支持を得た。それでも、ウィアさんは「世界はまだ違いを受け入れることにもがいている」と話す。

6/15(土) 5:40配信 時事通信
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