南米王者を決める世界最古の大陸選手権、コパ・アメリカ2019が日本時間15日に開幕する。開幕戦では4大会ぶり9度目の優勝を目指す開催国ブラジル代表が、サンパウロのエスタジオ・ド・モルンビーでボリビア代表と激突。同7月8日の決勝戦まで、26試合にわたる激闘の火ぶたが切られる。

 出場国は南米サッカー連盟(CONMEBOL)に加盟する10か国と、招待された日本、カタール両代表の計12か国。次回のワールドカップ開催国カタールは国内リーグがオフとあって、1月のアジアカップを制したメンバーを中心にほぼベストの陣容を編成。対照的に日本は1997年1月1日以降に生まれた東京五輪世代が18人を数える、平均年齢22.2歳の若い顔ぶれでブラジルに乗り込んだ。

 パラグアイで開催された1999年大会以来、20年ぶりとなる招待参加が決まった昨年末の段階で、ベストのフル代表では臨めないのでないか、と危惧されてきた。コパ・アメリカは国際Aマッチデー以外の開催となり、主催するCONMEBOL以外の大陸連盟に加盟する各国協会は、日本サッカー協会(JFA)を含めて代表選手を拘束できる権利をもたない。

 招集するためには、国内外の各クラブとの粘り強い交渉が求められる。さらには「大陸選手権で選手を招集する際に各国協会がもつ拘束力を、1年で1大会のみとする」――という国際サッカー連盟(FIFA)の規約により、1月のアジアカップに招集された選手たちとの交渉のハードルがさらに上がった。

 各クラブとの交渉にはJFAの技術委員会があたるが、昨年末の段階では楽観的に考えていたのだろう。FIFA規約を問われた関塚隆技術委員長は、自信満々にこう語っていた。

「両方の大会に出てはいけない、という規定はないので。そこのところはご理解いただければ」

 シーズンオフとなる海外組に対しては、クラブ側は休養を取らせることを最優先させる。一方でシーズン真っ只中の国内組においても、主力選手が招集される点にJクラブが難色を示し続けた。最終的には来夏の東京五輪へ向けた強化の舞台にする目的を共有し、国際Aマッチ出場歴がゼロの選手が16人を数える顔ぶれを何とかそろえた。

 もっとも、ここで疑問が残る。コパ・アメリカの開催期間中にJ1リーグを中断すれば、少なくとも国内組に関しては招集へのハードルが大きく下がり、クラブ側としても快く送り出せたのではないか、と。理論は理解できるが、しかし、実際に中断される可能性は当初からゼロだった。

6/14(金) 5:30配信
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