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“日本サッカー界の至宝”はビッグクラブ入りできるか。9日の国際親善試合エルサルバドル戦でA代表デビューを果たしたMF久保建英(18=FC東京)は、14日(日本時間15日)開幕の南米選手権(ブラジル)でさらなる活躍が期待される一方、ピッチ外では欧州ビッグクラブによる争奪戦が過熱。ただ今夏にビッグクラブ入団を果たせても、そこにはイバラの道が待ち受けている。

 デビュー戦で鮮烈なプレーを披露した久保は日本代表としての第一歩を踏み出した。10日は午前中に仙台から帰京したものの、11日には休む間もなく再集合。南米選手権が行われるブラジルへ向けて出発する。

 南米の強豪国を相手にどんなプレーを披露するのか注目が高まるが、ピッチ外の動向からも目が離せない。4日に欧州移籍が可能となる18歳となり、下部組織に所属したスペイン1部バルセロナに加えて、そのライバルのレアル・マドリード、フランス1部パリ・サンジェルマンなど世界屈指のビッグクラブが獲得に乗り出している。世界中からスカウトが集う南米選手権で大活躍すれば、争奪レースに参戦するクラブがさらに増える可能性もある。

 ただ久保フィーバーが過熱する一方で気になる点も。バルセロナは久保に保有するBチーム(実質3部)でのプレーを求めているとされるが「レアル・マドリードは久保を非常に高く評価していて、かなり良いレンタル先を用意しているようだ。パリ・サンジェルマンは今後のチーム状況によるが、レンタルが有力だろう」とJクラブ関係者は指摘する。

 つまり、強豪クラブ間で争奪戦になっている状況とはいえ、移籍しても他クラブへ武者修行に出されることが確実なのだ。これは欧州ビッグクラブが有望な若手獲得の際、慣例となっている強化システムだが、近年、日本選手が同様のパターンで欧州進出を果たして成功した例はほぼない。

 中京大中京高(愛知)からJリーグを経験せずに、イングランド・プレミアリーグのアーセナルに入団したFW宮市亮(26=ザンクトパウリ)は、初年度こそ期限付き移籍したフェイエノールト(オランダ)で存在感を見せたが、その後はレンタル先で結果を出せずに契約満了。同じくアーセナルと契約したFW浅野拓磨(24=ハノーバー)も現状では苦境に立たされている。

 1月に同リーグのマンチェスター・シティーに加入したDF板倉滉(22)はオランダ1部フローニンゲンへ貸し出されたものの、出場ゼロのまま今季を終えている。才能を評価されてビッグクラブと契約してもレンタル先の事情などがあり、なかなか結果を出せない選手が多いのが実情で“ジンクス”になりつつある。

 久保はそれでも欧州ビッグクラブ入りを目指すのか。南米選手権でのパフォーマンスはもちろん、今夏の去就と移籍先の選択も注目されそうだ。

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