女優の吉高由里子が主演するドラマ「わたし、定時で帰ります。」(TBS系)が好調だ。「残業しない」「定時で帰る」をモットーに生きる新世代のワーキングガールを主人公に、曲者のモンスター社員が抱える様々なトラブルを解決していく同作。主人公である吉高の自然体の演技に加え、脇を支える俳優陣の安定感もドラマ好調の要因となっているようだが、なかでも43歳となった内田有紀の変わらぬ美しさに魅了される視聴者も多く、「内田有紀綺麗すぎませんか」「内田有紀は居るだけで神」などの声がSNS上に次々と挙がっている。

「90年代はボーイッシュな魅力でトップアイドルとして活躍していた内田さんですが、当時はほとんど休みがなく、忙しさに心と体を追いつかせるのに必死だったといいます。24歳のとき、つかこうへい氏が主宰する『北区つかこうへい劇団』の門をたたき、歌手業を休業。26歳で『北の国から―2002遺言』(フジテレビ系)に出演。つか氏や倉本聰氏と出会い、演技をとことん追求することでメキメキと女優としての実力をつけました。2002年に俳優の吉岡秀隆さんと結婚し、芸能界を引退して専業主婦になったのですが、多忙を極めていた吉岡さんとのすれ違い生活が原因で2005年に30歳で離婚。翌年くらいに『自分の居場所を見つけたい』と芸能界に戻ってきました」(芸能リポーター)

 復帰後の内田は「ドクターX」シリーズ(テレビ朝日系)、「西郷どん」(NHK)、「まんぷく」(NHK)など、話題のドラマに相次いで出演。作品の肝となる人物を存在感ある演技で好演し、視聴者の心に印象を残している。2月に発表されたランキングサイト「ランキングー!」の「2019年版 好きな40代女優ランキング!」では石田ゆり子に続き、第2位にランクインするなど、その人気が再燃しているのだ。

「朝ドラ初出演となった『まんぷく』では、主人公の姉・咲を演じましたが、肺結核を患いわずか第11回で亡くなると視聴者からは『咲姉ちゃんロス』と悲しみの声が上がるほどの人気がありました。放映中の『わたし、定時で帰ります。』では、双子の赤ちゃんを育てる育休復帰直後のワーキングママを熱演。同世代ママから共感を得るとともに、その姐御肌の演技に、『こんな上司の下で働きたい』という声も多く、幅広い年齢層に受け入れられるキャラクターとなっています」(テレビ情報誌の編集者)

■ストレス解消法は建築物鑑賞

 バイプレーヤーとして輝きを放つ彼女には、先輩女優の大きな支えもあったようだ。内田が情報番組「あさイチ」(NHK・2018年2月16日放送)に出演した際、“芸能界の母”だという女優・加賀まりこがVTRで登場。ドラマ「誰よりもママを愛す」(TBS系・2006年放送)で内田が女優復帰する際は、そばで温かく見守っていたことを明かしている。さらに加賀から「やるからには、本当に覚悟してやりなさい」と激励されたことを涙ながらに語っていた。

 一方、40代になっても美しさをキープする秘訣について、内田はメディアで意外な一面を披露している。

「バラエティー番組に出演した際、ストレス解消法として『明治から昭和初期の建築物鑑賞』を挙げていました。建物の細部のつくりや、職人さんがその時代にどんな思いで彫刻を彫ったのかなどを妄想するのがストレス発散になるそうです。女性誌で素敵に年を重ねる方法を聞かれた際は『一人で抱え込まないことだ』と明かし、何でも言える家族や友達をつくることが大事だと答えていました」(同)

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、内田の女優としての魅力についてこう語る。

「彼女のデビュー曲である『TENCAを取ろう! −内田の野望−』(1994年)のタイトルのように、若い頃はポジティブな元気キャラを前面に出していましたが、20代半ばでつかこうへいの舞台『新・飛龍伝』に出たのが大きな転機となりました。自分には何が足りないのか、それを補うためにどうしたらいいのかを冷静に考える客観性、そして実行に移せる行動力はさすがだと思います。10代、20代の頃の無邪気な雰囲気を残しつつ年齢・キャリア相応に落ち着いてきた40代の今は芝居にも安定感があり、出演を重ねるにつれ女優としての魅力が増しています。後に続く若手女優の良きロールモデルとして、これからも活躍してほしいですね」

 女優としてのさらなる奥行きを感じさせる内田だが、ますますオファーが殺到することは間違いなさそうだ。(高梨歩)

5/30(木) 11:30配信 AERA dot.
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