男子バレーボール部員がコーチに平手打ちされ、けがをした兵庫県尼崎市立尼崎高校の体罰問題で、同市教育委員会は18日会見し、硬式野球部の教員が体罰を認めたと明らかにし、教員が体罰をしたとする約10件の情報が寄せられていると発表した。市教委と同校は情報に基づいて体罰の有無を調べるが、体罰は複数の運動部にまたがって広がっていたことが判明した。

 同校の桑本廣志校長は、硬式野球部コーチを務める男性臨時講師(25)がこれまでに生徒に体罰をしたことを認めたことを明らかにし「あってはならない人権侵害が起こっていた。申し訳なく思う。私の監督責任が問われる」と謝罪した。

 市教委によると、この硬式野球部の臨時講師は今年4月、1年生全員が参加した野外合宿の集会で、あくびをした1年生部員を数十回たたいたなどとする情報が寄せられていた。

 14日に市教委と学校が確認したところ、体罰を振るったことは認めたという。ただ、市教委の竹原努職員課長は「調査を進めている段階」として、体罰をした相手や理由、具体的な暴行の内容には触れなかった。

 同校を巡っては、4月29日、男子バレー部でコーチを務める男性臨時講師(28)に10回以上平手打ちされた3年生部員が20〜30分間意識を失い、鼓膜損傷など全治2週間のけがをしたことが分かっている。

 同校は普通科のほか体育科があり、スポーツ教育に力を入れている。部活動の多くは全国大会の常連で、男子バレーボール部は昨夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)で初優勝し、硬式野球部も夏の全国高校野球選手権大会に2度出場している。(大盛周平、初鹿野俊)


5/18(土) 12:50配信 神戸新聞NEXT
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