レスターのブレンダン・ロジャーズ監督(46)が、今季限りでの退団が決まった元日本代表FW岡崎慎司(33)を「タンクを空にする男」と評し、惜別の言葉を贈った。

12日のチェルシーとの最終節を前に、ロジャーズ監督は10日の定例会見に出席。8日に今季限りでの退団が発表された岡崎について語った。

「岡崎の退団は彼の意志を尊重した上での決断だ。もちろん33歳という年齢も、もう1度ストライカーとして勝負したいという決断を後押ししたと思う。
ストライカーはゴールを決めたか決めないかで評価される。ところが、彼の場合はFWバーディーと中盤を結ぶ連係プレーや、相手の鍵を握る中盤の選手へ非常に知的にプレスを掛けてレギュラーになった。
ただし、純粋なストライカーとしてプレーしたいとなると、ここでは出番が限られてしまう」

北アイルランド出身のロジャーズ監督は、39歳という若さで名門リバプールの監督に就任。その後はスコットランドの名門セルティックで2年連続国内3冠を達成するなど知将として知られる。
レスターの監督に就任したのは今年2月とまだ3か月だが、岡崎のプレーには感銘を受けたという。

「まず人間として非常に素晴らしい。正直で、連日のハードワークを自分に課し、それを素晴らしいエネルギーと情熱でこなす。相手に蹴られても、すぐに笑顔で立ちあがるしね。
そして常にピッチで全力を尽くす。英国では『タンクを空っぽにする』というのが、全力を尽くす人間の例えだが、彼こそまさにタンクを空っぽにする男だった。
練習場でも常にタンクを空っぽにするまで走った。短い間だったが、彼と一緒にやれたことは私にとっても喜びだった」

具体的な移籍先については「本当に知らない。岡崎自身もまだ知らないのではないか」と話すが、“ある国”なら再び成功を収められる可能性があると見解を述べた。
「他国でのプレーも視野に入れていると聞いているが、スペインなら試合のテンポも(プレミアより)やや緩く、ある程度の成功はできるはずだ。彼ならまだまだこの先も第一線で活躍できる」

ドイツ1部マインツから加入した15―16シーズンは、2トップの一角として36試合に出場し、5得点をマーク。誰もが予想しなかったリーグ優勝に大きく貢献し、レスターのレジェンドとなった。
ホームのキングパワースタジアムで行われる12日のチェルシーとの最終節では、退団セレモニーも予定されている。

「サポーターが心のこもった声援を送るはずだ。彼らは決して、シンジ(岡崎)の貢献を忘れることはない」
4年間過ごしたレスターの地で、岡崎が最後の花道を飾る。(森昌利通信員)

5/11(土) 17:27配信
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