◆明治安田生命J1第9節 鳥栖0−2湘南(28日・駅前不動産スタジアム)

最下位のサガン鳥栖がもはや恒例になったゴール欠乏症で湘南に0−2で敗れ、4連敗を喫した。
開幕9試合を終えて、たったの1得点。2014年の徳島の2得点を下回るJ1史上ワースト記録だ。
試合後には出番がなかった金崎夢生(30)が竹原稔社長に怒りをぶつけ、サポーターからは大ブーイング。結束力が持ち味の「砂岩」が空中分解の危機に陥った。

■監督解任は否定 竹原社長

ついに内部からも怒りが爆発した。
8回目の零封を喫した試合後。サポーターから大ブーイングを受けた選手たちがスタンド下に集まると、ベンチ入りしたものの出番がなかった金崎が、竹原社長に食ってかかった。
仲間に制されて収まったが、一時騒然となった。

「言っちゃ駄目だって言われている。僕の性格を見たら、だいたい分かるでしょう」。
金崎は詳細を語らず、他のチームメートも口を閉ざした。だが、これだけゴール欠乏症に陥れば、
鹿島時代に指揮官と衝突したことのある熱血漢から不満が出ても無理はない。
サイドから崩そうとはするがクロスは単調で、ゴール前の攻撃陣もただ待つばかり。
唯一に近い前半6分の決定機もクエンカのシュートは相手GKの正面を突いてしまった。

開幕9試合で1得点はJ1最少。フェルナンドトーレスは「理由は一つだけではない。
チームとして攻撃して守れば良くなる」と前を向くが、原川は「同じ絵を描けていない。行き当たりばったり」と深刻な連係不足に危機感を抱いている。

サポーターからはカレーラス監督の解任を求める罵声も飛び交った。
昨年10月にフィッカデンティ監督の後任として残り5試合を無敗で切り抜け、J1残留に貢献した金明輝コーチの再登板を願う声も出た。
しかし竹原社長は「解任が解決策になるという確証を得られていない」と当面の解任を否定。
次節大分との九州ダービーも現体制で臨む方針だ。

フェルナンドトーレスは「私はチームを信用しているし、いいグループだと思っている」と前を向いた。
小さな砂粒が結束すれば「砂岩」として大きな岩になる−。クラブ名の由来にもなっている根幹の部分が、あらゆる面で問われている。

鳥栖・カレーラス監督「試合を進める中で布陣や人の配置を変えるなど、点を取るための努力はしたが、最後の形ができていない。
金崎はチームのために気持ちを出したと思う。負けた後に憤りを出すのは普通。彼の場合は強く出た」

■藤田長期離脱か

鳥栖の竹原社長が、負傷退場した藤田の長期離脱を示唆した。
藤田は前半7分に相手選手と接触して左脚を強打。そのままピッチに座り込み、担架で運ばれて小林と交代した。
けがの詳細は不明だが、竹原社長は「結構重いかも。発表せざるをえないかも」と説明した。
鳥栖が選手の診断結果を発表するのは手術を受けるなど1カ月以上の離脱が多い。
今季リーグ戦8試合で先発出場した守備の要を欠くとなると大きな痛手だ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190429-00010009-nishispo-socc
4/29(月) 7:33配信