「わたしはね、モンゴル人の誇りを持った日本人なんです。日本は大好きです。でもモンゴル国籍は捨てたくなかった。」
そう言うと、白鵬理事長の目から一筋の涙が流れた。
「この悲しい思いを後輩たちにはさせたくなかった。私たちの時代には色んな差別があった。
わたしの相撲人生は差別との戦いの歴史でもありました。」
今では親方衆の3分の1がモンゴル国籍保有者が占める。
「それに、協会から離れると復帰できないシステムも変える必要がありました。
外の世界で活躍した人の力を貸してもらえるのは協会にとってプラスになるはずです。」
だが、理事会の推薦がないと各部屋に再所属できないなど復帰へのハードルは高い。
「それはやっぱり相撲に覚悟を持って関われる人じゃないと。絵本を書く部署は協会にはないし…」


「相撲を日本の国技から世界の国技にします」
結束を誓う相撲協会幹部
写真=左から朝青龍顧問、白鵬理事長、日馬富士副理事長