小さな書店の店主らが、お客さんのために本を選んで送る「選書サービス」が静かな人気だ。

 本が売れず、書店の数が減り続けている時代だが、利用者は何を求めているのか。

 北海道砂川市の「いわた書店」は全国から選書の依頼が殺到する、この世界では有名なお店。2006年に始めた「1万円選書」がテレビやSNSで取り上げられ、今では毎月150人限定のサービスに年7千人以上が申し込み、抽選待ちしているほどだ。

年齢や家族構成、過去の読書歴や今、一番したいことなどを記した「カルテ」を顧客に送ってもらうのが最初のステップ。約1万冊の本を読んできた岩田徹社長(67)が、カルテを基にお薦めの本を選び、手紙を添えて送る。

 中高年世代から「定年後に何をしたらいいか」といった悩みが寄せられるなど、「皆、言いようのない不安の中で生きている」というのが実感。選書サービスは「一人ひとりへのカウンセリング。本を通して、色々な可能性があることを伝えたい」という。

 米アマゾンなどネット勢の台頭もあり、国内の書店は減り続けている。日本出版インフラセンター(東京)によると、17年度は1万3576店と10年前と比べて2割超も減少。顧客と深い関係を築くのは中小書店の生き残り策でもある。

2019年4月11日 13時41分
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