勝海の卒業制作によせたレビュー

■小竹信節 武蔵野美術大学空間演出デザイン学科教授 ←New!

「The Principles of Uncertainty 不確実の法則」と名付けられた美しい画集は、
「ニューヨーク・タイムズ」に月に一度連載していたマイラ・カルマンの絵日記をまとめたもので、
彼女はその冒頭に、気ままに、思いつくままに、好きなものを集めながら始まったと書いた。
人が大好きで、ゼミの間常に誰かを描いていた勝海を見る度に、マイラのことを思い起こす。
ここに並んだ117名の物静かに佇む見知らぬ人々の微睡みの中を風がゆったりと通り過ぎるように、久しぶりの友人と一緒に歩いてみた。ふたりとも笑顔になった。