■バス代だけで2400万円


「バス代が高くて、しょうがない」

 関東の出場校の監督がこう言って嘆く。

 高校野球では、18人のベンチ入りメンバー以外にも、ベンチ外のメンバーはもちろん、生徒や保護者、ブラスバンド部など、学校によっては総勢1000人単位の大応援団が甲子園へ繰り出す。

 昨夏の甲子園では、吉田輝星(現日本ハム)擁する金足農(秋田)が当初は寄付金集めに大苦戦したものの、勝ち進んだことで最終的に3億円近いお金が集まった。

 その監督が続ける。

「金農のケースは特別中の特別。100年に1回あるかないかですよ(苦笑い)。ウチは1500人が甲子園に行く。バスの定員は1台当たり50人強で30台が必要。関東と甲子園を往復すると、バス1台当たりの値段が80万円。10年前の倍になっている。決勝戦まで勝ち続けると、宿泊費を加えて1億8000万円かかる計算です。寄付金は2000万〜3000万円程度だから大赤字です」

 あくまで勝ち進んだ場合の話だが。



■「ケンカは強かった」

 さる私立校の監督が数年前、地元の歓楽街で複数の関係者と会合を開いた。

 同地区の公立校の監督が聞いた話では、こんな事件が起きたという。

 その監督、勝っているときは「攻めダルマ」になって采配がバシバシ的中するが、リードを許して劣勢に立たされると途端に「お地蔵さん」のように固まってしまい、思考停止することで有名だった。

 出席者の一人が酒の勢いもあって、監督の手腕を批判し始めた。はじめのうちは監督も笑顔で対応していたが、人格まで否定され始めたものだから、いよいよ我慢の限界。テーブルをひっくり返して、「コノヤロー!」とその出席者の胸ぐらをつかんだ。


 同席者が2人を羽交い締めにして、事なきを得たものの、監督の怒りは収まらない。その場を途中で退席、店の外に出た瞬間、「第二の事件」が起きたという。

「その監督、出合い頭に通りすがりの男性とぶつかった。ただでさえ怒り心頭の中で、男性に『どこ見て歩いてんだ』などと因縁をつけられ、ぶん殴って、KOしてしまったんです。後日、殴られた側から学校に連絡が行ったと聞きましたが、責任問題は一切、浮上していない。どうやら、100万円単位のカネで示談を持ち掛け、内々でもみ消したそうです」


 とは、前出の公立校の監督だ。

■尻フェチ

「一冬越えて、体が一回り大きくなったんじゃないですか? 特に下半身なんてねぇ」

 さるマスコミ関係者が今大会出場校のあるコーチに、今秋ドラフト候補に挙げられている選手について、こう尋ねた。

 するとそのコーチ、頬を緩めながら、こうつぶやいた。


「アイツ、本当にいいケツしてますよ……」

 さらに他の選手を指さしながら、「アイツもいいんですよ、ケツが。丸々として、惚れ惚れしますよね」と、よだれを垂らさんばかりに、何度もうなずいたという。冒頭の関係者が言う。


「このコーチ、中学生のスカウティングを担当しているが、取ってくる中学生の多くは尻に特徴がある。丸みを帯びて大きい。それにあまりにも尻のことばかり言うので、ソッチの気があるんじゃないか、と関係者の間で噂になっている」

■ヤンキースのスカウトが拍子抜け

 甲子園のネット裏が騒然となった。24日に行われた横浜対明豊戦に、ヤンキースのスカウト幹部が視察に訪れたからだ。お目当ては、今秋ドラフト上位候補の及川(横浜)だった。プロ12球団が注目する最速153キロ左腕とはいえ、春の段階で米国からわざわざ“幹部クラス”が来日するのは珍しい。「及川のことを魅力に感じているからに他ならない」と話す関係者もいた。

 もっとも、この日の及川は試合前の投球練習から暴投を連発するなど調子は最悪。三回途中5失点でKOされ、1回戦で姿を消した。

 ネット裏のスカウトからは、「素材はいいが、制球力を気にしすぎてイップス気味になっている。横浜には投手を育てられる指導者がいない。中学時代の方がむしろ良かった」との声も出たほど。

 アテが外れたヤンキースのスカウト陣は及川が降板するや、バツが悪そうに姿を消したそうだ。

19/04/03 06:00 日刊ゲンダイ
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