◇第91回選抜高校野球大会 準々決勝第1試合 習志野4―3市和歌山(2019年3月31日 甲子園)

左膝痛をこらえ、習志野のエース飯塚脩人(3年)はマウンドを守り抜いた。
2回から登板し6回には自ら中前同点打も8回1死、打球が左膝内側を直撃。治療のため一度ベンチへ戻るも交代など考えなかった。

「残りも短かったし、気持ちでねじ伏せよう」。9回1死から連続三振を奪った。
自己最速146キロの直球を武器に、1回戦から3試合連続で救援して計17回無失点の快投だ。

打線も劣勢をはね返した。星稜戦の死球から右足関節打撲で欠場した根本翔吾外野手(3年)に代わり初の3番に座った2年・角田勇斗内野手(2年)が初回、5回にタイムリー。
「根本さんから“チャンスで回ってくる”と言われたけどその通りでした」。初回の挟殺プレーでは走者と交錯し鼻血を出したが、7回にも中前打で決勝点を演出した。

28日の星稜戦後に、星稜からサイン盗みを指摘された。審判団は不正行為は確認できなかったとしたが、「やっていない」とどれだけ否定しても、疑惑が晴れるものではない。
できることは全力で試合に臨むことだけ。ナインは動揺せず通常練習を貫き、会心の逆転劇につなげた。

小林徹監督(56)は「試合でも臆することなくやってくれた。大事なことは許容だと言っている。状況を受け入れようと」と語った。
試合前には「もし克服できたら成長する」とも話している。ナインも思いは一つだ。
「自分たちは何もしていない。チームの雰囲気が変わることはありません」と飯塚が話せば、竹縄俊希主将(3年)も
「イライラせず試合に切り替えることができたから勝てた。勝ち進まなければ取り上げられることもなかった」と話した。

夏は2度の全国優勝経験を持つが、センバツでは初の4強進出。千葉県勢悲願の春優勝へあと2つ。結束は確実に強まっている。

▼習志野のサイン盗み疑惑騒動 3月28日の2回戦・星稜―習志野戦後、星稜の林和成監督がサイン盗みを疑い、習志野の小林徹監督に直接抗議。
星稜側は試合中も審判に指摘したが、審判団は協議の上「疑いなし」と判断した。
翌29日には星稜の林監督が日本高野連へ試合後の行動を謝罪した一方で「小林監督から“星稜もやってるでしょ”と言われた」としたが、小林監督は否定した。
日本高野連は星稜に疑わしいとされる映像の提出を依頼し、確認作業を行う方針だ。

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2019年3月31日 19時46分 スポニチアネックス