<フィギュアスケート:世界選手権>◇23日◇さいたまスーパーアリーナ◇男子フリー

SP6位の宇野昌磨(21=トヨタ自動車)がフリー178・92点の合計270・32点で4位となり、16年世界選手権以来、3年ぶりに表彰台を逃した。近年にない落ち込みようで取材エリアに立つと「自分の弱さに失望した。『自分は本当に弱い』と気付かされた」と一言一言、間を置きながら、言葉を紡いだ。

スタート位置に立った時点から「最初の2つはあまり跳べる気がしなかった」。冒頭のサルコー、続くフリップと4回転ジャンプが2本連続で氷に手をつくミスとなり、中盤に予定していた4回転−2回転の連続トーループは、1本目の着氷乱れで単発に終わった。

21日のSPは冒頭の4回転フリップで転倒し「何を言われようと、潔く逃げました」と難度を落として演技をまとめた。2月の4大陸選手権で周囲の思いを感じ、満足感よりも「優勝したい」とシニアで初めて結果にこだわった今大会。だからこそ「『1位を取る』と言っていて、このような演技をして恥ずかしい」とうなだれながら口にした。

特別な失望感は、長く世界のトップを争い続けた証しだ。世界ランクは1位。その男が「自分がトップを争える実力がないと言い聞かせ、また1から成長して帰ってこないといけない」と振り絞った。1つの負けが、必ず宇野を強くする。

3/23(土) 21:56配信 日刊スポーツ
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