J1神戸の豪華“VIPトリオ”がピッチ外でも大活躍だ。神戸は10日の仙台戦(ユアスタ)に3―1で快勝。今季から加入した元スペイン代表FWダビド・ビジャ(37)が2試合連続ゴールとなる決勝弾で試合を決めた。ビジャをはじめ大物助っ人たちのおかげで、世界中から神戸に対する注目度が急上昇。その経済効果は国内外で約300億円に及ぶという。

 0―1の前半32分に元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)のアシストで同点に追いつくと、後半1分にはビジャが勝ち越し弾。19分には元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(33)のクロスがオウンゴールを誘発し“VIPトリオ”が揃って得点に絡む活躍を見せた。

 開幕戦こそ黒星だったが、その後2連勝で5位に浮上。2試合連続ゴールのビジャは「シーズン初めからチームとしていい練習ができている。勝つとよりいい気持ちで練習に励める」とチーム状態の良さを強調。神戸旋風の予感が漂う中、世界的スターの活躍は神戸に莫大な経済効果をもたらしそうだ。

「あれだけの選手がいるとクラブ自体の注目度が飛躍的に上がる。観客動員やグッズ販売、広告収入などは跳ね上がる。世界でも知名度は抜群なので、当然海外での露出も増え(親会社でインターネット販売大手)楽天の認知度もアップしてブランド価値の向上につながっていく」と大手広告代理店関係者は分析する。

 本拠地の神戸を中心とした関西圏はもちろん、全国各地でも神戸関連の需要が喚起されてファン層を拡大。こうした国内での経済効果は100億〜150億円ほどになるという。さらに世界で報道されるため「楽天」の認知度が上がり、サービスが広がって収益アップにつながると予想。海外での楽天の利用者数、国外業績ともにアップし、期待される効果は100億円程度との試算だ。

 それだけではない。同関係者は「例えば海外の人たちがスター選手がきっかけで日本に興味を持ち、観光に訪れたり物品を買ったりする。そうした二次的な効果も様々な面で期待できる」。助っ人たちは積極的に日本各地を訪れてSNSで発信し、日本の魅力をアピール。イニエスタは日本政府観光局の欧米市場向けのキャンペーンにも起用されている。間接的な経済効果は「少なくとも50億円以上」。これらを合わせると約300億円の巨額マネーを生み出す勢いだ。

 昨年、イニエスタを獲得した際の経済効果は約100億円と試算されたが、今年はビジャ加入による相乗効果で何と3倍に膨らんだ格好。多額の投資を行った三木谷浩史会長(53)の「楽天のブランド価値を高めてくれれば」という言葉通り、大きなプラス効果をもたらしそうだ。

3/11(月) 16:45配信 東京スポーツ