『X-ファイル』『ツイン・ピークス』など大ヒットシリーズの復活が相次ぐ海外ドラマ界。SFアクションのジャンルで人気が高い『スター・トレック』も12年ぶりにテレビシリーズとして復活。
往年のファンを引きつけ、TSUTAYA海外ドラマ月間レンタルランキング1月度で2位。前月度の5位から上昇するヒット作となっている。

『スター・トレック』シリーズの1作目は1966年に始まった『宇宙大作戦』。惑星連邦の宇宙船USSエンタープライズでカーク船長らのクルーが宇宙探査の冒険を繰り広げた。その後、5作のテレビシリーズが誕生。
映画版シリーズも派生し、特に2009年にJ・J・エイブラムス監督が手がけたリブート版は、若き日のカーク船長が成長する姿を描き、新たなファンを取り込んで大ヒット。2、3作目も作られた。
そして01〜05年にテレビシリーズ第5作『スター・トレック エンタープライズ』が作られて以来、12年ぶりに登場した新シリーズが『スター・トレック:ディスカバリー』だ。全米では17年9月にCBSで放送された後、
CBS All Accessで配信がスタート。シーズン2の配信が今年1月から始まっている。
時代設定は『宇宙大作戦』が始まる約10年前。惑星連邦の宇宙船USSシェンジョウは、惑星連邦と敵対するクリンゴン人と遭遇。副長のマイケルは独断で攻撃を指示するが、ジョージャウ船長から副長の座を解任、
拘束されてしまう。その後、クリンゴンが攻撃を始め、惑星連邦とクリンゴンの全面戦争が勃発。その責任を問われて終身刑となったマイケルは、別の宇宙船ディスカバリーのクルーを命ぜられる…。
主人公マイケルがディスカバリーでの航海を通じて人間的に成長する姿や、クルーとの間で交わされるドラマが大きな見どころ。マイケルを演じるのは、『ウォーキング・デッド』で人気を得たソネクア・マーティン=グリーン。
シリーズ史上初めて、艦長ではない主人公の視点でストーリーが描かれるのが新しい点だ。もちろん、惑星連邦とクリンゴンの宇宙での戦闘や、未知の惑星や生命との遭遇といったSFアクションならではの見どころもたっぷりある。
TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏によると、レンタルのメインユーザーは50代以上の男性。「全体の77%を占めています。直近の関連作である16年の映画版『スター・トレック BEYOND』は53%でした。
本来のテレビシリーズの新作かつ『宇宙大戦争』と時代設定が近いことで、長年シリーズを見てきているコアなファンの方に強く支持されているようです」
『スター・トレック:ディスカバリー』の内容自体は、『スター・トレック』シリーズに詳しくなくても十分楽しめる。企画・製作総指揮にあたったアレックス・カーツマンは、
09年の映画リブート版『スター・トレック』で製作総指揮と脚本を手がけており、『スター・トレック:ディスカバリー』も映画版を踏襲したイメージや映像が展開する。
映画リブート版でファンになった若い世代も楽しめるテレビシリーズを意識したのは明白で、そうした内容の認知が浸透すれば、人気はさらに広がるだろう。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)

2/28(木) 7:47配信 NIKKEI STYLE
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写真:NIKKEI STYLE
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