【フロリダ州タンパ27日(日本時間28日)発】ヤンキースの田中将大投手(30)は、ストレッチとキャッチボールのみでグラウンド上での練習を終えた。26日(同27日)に予定されていたオープン戦初登板は雨で流れたが、ブルペンで30球投げ、さらに試合を想定して休憩を挟んで34球を投じた。登板翌日のメニューを行ったようだ。

 その田中が26日、今オープン戦で試験的に行われている「ピッチクロック」について、注目発言した。投球間を20秒に制限するもので、すでに多くの主戦投手が反発している。

 田中は「(導入されたら)それなりにやるだけですよ」と前置きすると「ただ、嫌いですよ。そんなもの必要じゃない。勝負するのに1球、1球間合いがあって、バッターもピッチャーも考えを整理して、打席に入り、プレートを踏む…。ただ単に20秒の間で投げろって、マシンじゃないんだから」と熱い口調で異議を唱えた。田中の発言から数時間後、米スポーツ専門局ESPN(電子版)は「米大リーグ機構が選手会に対して2022年までは公式戦に導入しないと提案した」と報じた。

 この問題を27日にロスチャイルド投手コーチに聞くと「実際に導入するか決まっていないから、今の時点では『気にしないでやれ』というメッセージになる。もし(今季から)そうなるなら、キャンプの後半にかけてそこに向けた調整は、試合でもブルペンでもできる」と語った。

 その上で同コーチは「田中の場合は(投球間に)27秒かける、間が長い投手の一人でもある。それは本人も我々も分かっているし、彼自身の気持ちもあって、そう言ったと思う。これまで培ってきた(投球間の)ルーティンもあるから、時間が限られることで、ちょっと影響が出るのでは、と思うのも理解できる」とおもんぱかった。

 ピッチクロックの導入は先送りされそうだが、MLBと選手会の綱引きは今後も続くだろう。

2019年02月28日 08時52分
https://www.tokyo-sports.co.jp/sports/baseball/1294636/