0001鉄チーズ烏 ★
2019/02/24(日) 17:17:23.88ID:omvIZdXo9アカデミー賞を熟知している映画評論家の渡辺祥子と、2008年からWOWOWの授賞式生中継(今年は25日午前8時半)で司会を務めるジョン・カビラは、主要賞のうち作品賞と監督賞の最有力は「ローマ」と一致した。
1970年代のメキシコ市を舞台にキュアロン監督が実体験も踏まえ、家族のつながりを情感込めて描いた。渡辺は「白黒の映像がとても美しい。転換の速いゲームのような映画が多い中、じっくり描いた作品は好まれる」とみる。カビラは「圧倒的な格差社会を愛を持って描いている」と絶賛。全編スペイン語で、動画配信会社ネットフリックスが手掛けた。カビラは「製作と興行が両輪のハリウッドの秩序を破壊した作品が候補になるのは時代の変革を示す」と語る。
「個人的に作品賞をあげる」なら、2人とも「グリーンブック」と答えた。黒人差別が公然とあった60年代の米南部を車で演奏旅行する黒人ピアニストと白人運転手を描くロードムービー。「分断の問題をエンターテインメントとしても描けている」とカビラ。
一方、日本でも大ヒットしている英ロックバンド「クイーン」とボーカルの故フレディ・マーキュリーを描いた「ボヘミアン・ラプソディ」は評価が分かれた。「ドラマとしてそれほどでもない」という渡辺に対し、カビラは「一般ファンの圧倒的支持がある。実際にあったライブの再現力はすごく、終盤は泣きました」と賛辞を贈った。
カビラは主演女優賞に「天才作家の妻−40年目の真実−」のグレン・クローズと予想。「これが7回目の候補だから取ってほしい」と期待を込めた。渡辺は主演男優賞を「アリー/スター誕生」のブラッドリー・クーパーと予想した。
◆日本の2本、良作だが…
日本の二作品はどうか。昨年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いた「万引き家族」は、「ローマ」を含む五作品で外国語映画賞を競う。受賞すれば日本作品としては滝田洋二郎監督の「おくりびと」以来十年ぶり。渡辺は「ともに家族を描いた良作だが『ローマ』にはかなわないのでは」と予想する。
是枝監督は今月八日、東京都内の映画館で「万引き−」の上映後に登場し、「欧州の映画祭の経験はあるが、今までタッチしていないところにいる感じ。(アカデミー賞の)会場にいる人と今後、何か作ることがあるかなあと考えています」と心境を語っていた。
「未来のミライ」が候補となっている長編アニメ賞には「『スパイダーマン:スパイダーバース』で決まり。めくるめく映像が衝撃的なほど斬新」と渡辺は断言。男の子の成長と家族の物語を過去と未来を通じて描く「未来の−」は「感じの良い作品だが賞には届かないだろう」と語った。
◆受賞スピーチ 国境の壁批判か
アカデミー賞授賞式は、世界中が注目するショーであり、社会へのメッセージ発信の場でもある。昨年はセクハラによる性被害を告発する「#MeToo(私も)」運動のスピーチも話題となった。受賞者の多くがセクハラ黙認をやめるようアピールする趣旨のバッジを胸に着けて登壇し、注目を集めた。
カビラは今回、「ローマ」の評価が高まっていることを踏まえ「受賞スピーチで、トランプ米大統領がメキシコ国境に移民対策として壁を建設しようとしていることに批判の声が上がる可能性が高い」と予想する。親に連れられて米国に不法入国した「ドリーマーズ」と呼ばれる若い世代の強制送還を巡る問題についても「何らかのメッセージが上がるのではないか」とみている。
◆司会者が不在 演出にドキドキ
一方で、「授賞式オープニングのショーがこれほど楽しみな回はない」とも話す。今回、式の司会者に決まっていたコメディアンで俳優のケビン・ハートが、同性愛を嫌悪する内容の過去のツイートが問題となり辞退し、1989年以来の「司会者不在」の事態となった。
「司会なしでミュージカル風にしたこの時のオープニングは、史上最悪の12分といわれるほど不評だった」とカビラは解説し「関係者はそれを知っているから、絶対に失敗しないすごい演出を企画しているはず。伝える私もドキドキしています」。
(以下略、続きはソースでご確認下さい)
2019年2月24日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2019022402000187.html