沖縄・辺野古の埋め立てに反対する署名を呼びかけたタレントのローラさんに、批判の声があがった。発信力がある芸能人は、政治や社会問題について発言してはいけないのか。

◇タレント・歌手 りゅうちぇるさん

 芸能人も、自分なりの考えや関心があることは、発信すればいいと思います。僕は難しい言葉は知らないし、自分の経験から学んだことしか話せません。でも、性別にとらわれない自分らしい生き方や、出身地の沖縄のことなど、身近に感じられる問題は話すようにしています。

 たとえば昨年12月にニュース番組の同性婚の特集に出演して、「異性愛と全く同じ愛なのに、性別を理由に結婚が認められないのは、不公平で悔しいです」などとお話ししました。

1995年、沖縄県生まれ。原宿のショップ店員や読者モデルを経てタレントに。昨年歌手デビューした。

 僕自身は好きになるのは女の子ですが、かわいいものが好きでメイクもするので、よく「オカマ」と言われてきました。周りにも同性愛の当事者は多いです。同性婚についての現状や悔しさは知っていたから、オファーに応えて出演し、発言しました。

 自分らしく生きることの大切さを発信し続けるうちに、メイクやファッションなどハッピーな話題だけでなく、社会的問題についてもメディアで意見を求められる機会が増えました。それが普段から考えたり話したりして知っている話題なら、答えています。同じ話題を、もし政治家の人が話したら、「意味がわからない、難しい」と感じる若い人もいるでしょう。僕が話すことで、その問題がわかって、参加できる人が一人でもいるなら、いいと思います。

 でも、社会的問題について話すと、そういう話題を発言したこと自体がニュースになったり、「問題を本当に理解して発言しているのか」と言われたりすることがあります。発言した内容について考えて欲しいのに、おかしいなと思います。


2019年2月16日11時38分
https://www.asahi.com/articles/ASM253C8HM25UPQJ002.html
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20190211001103_comm.jpg