■キャンプ最終日に初の対外試合を実施 監督は“昨季をベースにしたシーズンイン”を想定
 
J1浦和レッズは8日に、沖縄県での1次、2次キャンプを通じて初の対外試合となる沖縄SV戦を戦った。計110分(50分×1本、60分×1本)の変則マッチだったが、それぞれの選手のプレータイムは50〜60分。
公式戦前に一度も90分間のトレーニングマッチを行わずにシーズンに入る理由について、オズワルド・オリヴェイラ監督は「90分の練習試合はやらなくて良いと考えている」と、その信念を語った。

浦和は1月22日に始まった8日間の1次キャンプで連日、ボールを使ったフィジカル強化のメニューを実施。2部練習でまったくオフのない時間を過ごし、ハードな追い込みを見せた。
これは、多くのチームや監督が1次キャンプを体力作りという点において同様の期間として捉えるだろう。

また、1日から8日間の2次キャンプでは、フィジカル強化と並行して戦術的なトレーニングも増えた。
それも多くのチームが採る手法だが、特筆すべきは90分間の試合を一度も組まずにキャンプを終えたことだ。

8日の沖縄SV戦では、最初の50分間で昨季レギュラーを張っていた主力に新加入の日本代表FW杉本健勇とブラジル人MFエヴェルトンを加えてプレーさせた。
それでも指揮官は「青木と武藤も、コンディションが良ければ今日の1本目に出ていただろう。

新加入の選手も大事だが、彼らは順応している途中だ。タイミングを見て起用していきたい」と、負傷離脱中のMF青木拓矢とFW武藤雄樹の優先順位が高いことを示唆した。
あくまでも、“昨季をベースにしたシーズンイン”を考えているようだ。

そのなかで、対外試合をほとんど組まずにプレシーズンを過ごすことには、指揮官の経験から来る信念がある。
昨季の4月末に就任したオリヴェイラ監督は、6月のロシア・ワールドカップによる中断期間に行われた静岡県でのキャンプで行った2試合のトレーニングマッチも、本来なら実施したくなかったことも示唆した。

■「今季は70試合プレーできる。せっかくある時間は練習に使いたい」

「今季は70試合プレーできる。せっかくある時間は練習に使いたいと思っている。また、練習試合で勝っても勝ち点3を得ることはできない。
私が来た去年の夏はジュビロ磐田戦と清水エスパルス戦がすでに組まれていたので、そのままプレーしたが、清水戦では相手GKと興梠慎三の接触で負傷しそうになった。
こうやって勝ち点の懸かっていない試合で怪我をしてしまう可能性もある。

1年で70試合プレーできるのだから、90分の練習試合はやらなくていいと考えている。サッカーの世界に長年いると、そういうことも学んでいくものだ」

老練なブラジル人指揮官はこう語り、この日の試合についても「練習試合は練習。まず、試合として本格的に考えるのはゼロックス・スーパーカップの川崎フロンターレ戦だ。
今日のテーマは練習であり、準備。試合としてのテーマを設けるのは川崎戦からだ。練習の延長線上にあるのが練習試合だ」と、試合としてのテーマ設定はなかったと話した。

選手たちからは「これが最初で最後の練習試合」という言葉も聞かれ、16日のゼロックス・スーパーカップの川崎戦までにトレーニングマッチを組むことはない模様だ。
実戦よりも練習によってチームを仕上げるという信念を持つオリヴェイラ監督に率いられた浦和は、どのようなシーズンの入りを見せるのか。例年以上に注目されるポイントになりそうだ。

2/9(土) 9:20配信 フットボールゾーン
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