2月3日に放送された菅田将暉主演のドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の第5話の視聴率が、同日放送のNHK大河ドラマ『いだてん』の第5話の視聴率を上回ったと話題になっている。

 『3年A組』の平均視聴率は10.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、『いだてん』は10.2%であった。なお、放送時間は22:30スタートと20:00スタートで異なるため、直接対決というわけではない。

『いだてん』のみならずここ数年は大河ドラマの視聴率面での苦戦が顕著だ。これは日曜日のゴールデン帯(19時から21時台)は“戦争状態”ということも無関係ではないだろう。

日テレ『世界の果てまでイッテQ』はヤラセ発覚でも強い
 日曜ゴールデン帯で安定した高視聴率を長年獲得しているのは、日本テレビの19時からの『ザ!鉄腕!DASH!!』と20時からの『世界の果てまでイッテQ』。『イッテQ』に関しては大方15%以上の視聴率を獲得し、20%台になる回もある。

 ただ楽観視はできない。『イッテQ』は “ヤラセ問題”が記憶に新しい。昨年11月に問題が発覚して以降、一時的に視聴率が落ちた。また、『鉄腕DASH』も人気番組ではあるが、TOKIOのメンバーであった山口達也が抜けて以降、視聴率は右肩下がりで15%に届かないことも少なくない。最近は木村拓哉やV6・井ノ原快彦といったジャニーズ勢がゲスト出演することで15%以上を出している状態だ。

 一方、テレビ朝日は波にのり始めている。18時半から90分番組として放送する復活番組『ナニコレ珍百景』は二桁台を獲得する週もあり、20時『ポツンと一軒家』も15%に達する週があるなど好調だ。

 テレビ東京の20時『池の水ぜんぶ抜く大作戦』は、最近は5〜7%ほどに落ち込む回もあるが、レギュラー化した当初は9〜10%の視聴率を保っており、まだ復活も見込める。

 TBSは『坂上&指原のつぶれない店』と『消えた天才』を隔週で2時間番組として放送しており、前者は低迷しているものの後者は二桁にのせる週も出てきた。

 こうした中で、NHKの大河ドラマは20%台を誇っていた過去に比べると視聴率は下がったものの、近年でも全話平均10%を超えている。


フジテレビが新番組スタートで下克上を狙う
 唯一低迷を続けるのは、フジテレビだ。昨年までは19時から『ジャンクSPORTS』、20時から22時まで『ニチファミ!』という2時間の特番枠を組んでいた。なかなかレギュラー番組が定着せず、試行錯誤を繰り返している印象だ。不定期の2時間番組に対しては、「放送日がわかりづらい」「長すぎる」といった不満も視聴者から出ている。

 状況を打開すべく、フジテレビは今年1月期より、20時枠に『でんじろうのTHE実験』、21時枠に『アオハルTV』の放送をスタートした。

 『でんじろうのTHE実験』はサイエンスプロデューサーの米村でんじろう先生とオードーリーの二人がMCを務め、世界の天才科学者から届いた「不思議な科学実験トリック」を解明する番組だ。番組の公式ツイッターでは、フォロワーに気になる実験のタイトルのアンケートを取るなど、視聴者参加型の要素も取り入れている。

 一方、『アオハルTV』は「何かに一生懸命な人≒アオハル(青春)な人」を全国から探し出す番組で、MCはヒロミ、レギュラーにはSexy Zoneの菊池風磨、佐藤勝利が入っており、ジャニーズファンの取り込みも狙っているようだ。

 どちらの番組にも共通する要素は、“ファミリーで楽しめる”という点だ。『鉄腕DASH』『イッテQ』共に、子供と親が安心して観られる番組であり、ファミリーで楽しめることは高視聴率の鍵とも言えるだろう。

 『アオハルTV』の初回(1月27日)視聴率は4.1%であったが、まだまだこれからが本番。フジテレビは『でんじろうのTHE実験』と『アオハルTV』で、日曜ゴールデンタイムの激戦をどこまで撹乱できるだろうか。

wezzy2019年2月11日12時05分
https://news.infoseek.co.jp/article/wezzy_63542