研ナオコ様。

 私は意外と貴女のことを知りません。もとはといえば、田邊昭知さんという

 雲の上のような方から、突然、会いたいとお話をいただいたところから、始

 まった御縁でした。まだデビューまもないペーペーの シンガソングライター

 だった私はメチャ広い応接室でソファの糸くずになったような気持ちで座っ

 ておりました。いったい私に何が出来るというのか自分でも、まったく予想

 の付かなかった仕事にそれ以来、足を踏み入れることになったのはひとえ

 に、あの日、田邊さんから聞かされた研ナオコさんに対する厚い信頼のド迫

 力のせいに、他なりません。