2019.02.10 11:00
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 昭和44年から放送されている『サザエさん』(フジテレビ系)。2月3日の放送で、磯野家の裕福な懐事情があらためて分かるシーンがあり、世間から「羨ましい」という声を集めたようだ。
この日、放送されたのは「選ばれし天ぷら」というエピソード。なんとも大げさなタイトルだが、これは軒先の掃除をしながら、夕食の献立を考えていたサザエが、スクーターで通りかかったお坊さんの法衣=ころもを見て「天ぷらにしよう!」と思いつくというもの。

 マスオの好物でもある天ぷらを作るとあって、サザエもどこかウキウキした様子を見せる。八百屋では少しでも安く買おうと値段を比べたり、魚屋でもエビやワカサギを吟味したりと気合十分。カツオやワカメも天ぷらに大喜びで、サツマイモの天ぷらは絶対に揚げてほしいとおねだり。波平もごはん茶碗を片手に「今日はいっぱい食べよう!」と宣言していた。
こうして、フネとともに、エビ、シイタケ、ワカサギ、カボチャ、ナスなどの大量の天ぷらを揚げていたサザエ。あとはマスオの帰宅を待つだけとなったが、一方、会社を出たマスオはアナゴから「フグ田くん〜、飲んで帰ろうか〜」と提案されていたのだった。

 その日の昼間、2人はランチで天ぷらを食べていたが、アナゴさんの奥さんから夕食は天ぷらだという連絡が入ったため、「夜も天ぷらじゃかなわないからな」と、急きょ飲みに行こうと思ったのだという。
マスオも同じく「ひょっとしてうちも天ぷらじゃ……」と心配になり、万が一、夕食が天ぷらだった場合はアナゴさんの誘いに乗ろうと考えたが、サザエに電話をしても「今夜はあなたの大好物を用意しているわ」としか返事は得られなかった。そのため、アナゴの誘いを断り帰宅。昼と夜に続けて天ぷらを食べることになってしまった。
昼も夜も揚げ物を食べるという、胃もたれしそうなマスオの一日。だがネットの反応を見ると、意外にも「羨ましい」という声が少なくなかった。

「母親と嫁さんが揚げた山盛りの天ぷら、俺も食べたいよ」「天ぷらめっちゃ食べたくなってきた」「家にごちそうがあるのに、その日の気分で飲みにいけるってなかなかできない贅沢」「天ぷらが待ってても飲みに行けるのは裕福な証拠だ」といった声がSNSなどで目立った。

 磯野家は東京都内に平家の一戸建てを持ち、働き頭の波平とマスオは商社の課長と係長。ランチの天ぷらもチェーン店ではなく「天麩羅」と立派な看板が掲げられた店。都内だとランチの天ぷらでも1500円はくだらないだろうが、それも余裕というわけか。
昭和の時代には当たり前だった金銭感覚も、50年の間に視聴者とズレ始めているのかもしれない。