高畑勲著「君が戦争を欲しないならば」より

「アメリカと戦争に入ろうとしている頃に、
日本にはモダンボーイ・モダンガールが都会にいっぱいいたんです。
「アメリカと戦争しても勝てっこないよ」と、そうした人は言ってた訳です。
しかし、一旦戦争が始まったらどうしたでしょうか?
まずいことになった、と一瞬思ったかもしれませんが、立派で自立した人を例外として
結局ほとんどの人が戦争に賛成して、提灯行列にも行く、旗行列にも行くんです。
日本の大勢が戦争を進めていく側に回ったら、自分もそれに同調して
もうこうなったら勝ってもらうしかないじゃないか、というようになる訳です。」