日本ハムのドラフト4位・万波中正外野手(18)は、何かと没頭してしまう性格だ。「なんでもかんでもやりすぎちゃうところがあるんです」。本人は申し訳なさそうに語る。

 好きな野球のためなら、いつまでもバットを振り過ぎてしまう。練習を最後に引き揚げるのは、だいたい万波。2軍キャンプでは連日の居残り特打を志願。疲労を懸念した吉岡雄二2軍打撃コーチ(47)から「まんちゅー(愛称)、今日は居残りなしね!」と居残り禁止令を出されるほど。「えー!バッティングしたかったな」とすねた。

 野球を始めたのは小学校2年の頃。3歳から6歳まではピアノ教室に通っていた。それまでは「なんのスポーツも興味がなくて。野球とか見たこともなかった」。仲の良い友達が始めたのをきっかけに「体験に行ったらすごく楽しくて」と白球を追い始めた。

 190センチの長身に、足のサイズは31・5センチ。走れば50メートル6秒2の快足を飛ばし、外野からの送球は糸を引く様なレーザービームが飛んでくる。やりすぎる性格でも、野球に打ち込む姿は楽しそうで、ファンの心を引きつける。

 カラオケもうますぎる。懐メロが得意。河村隆一の「Love is…」、シャ乱Qの「シングルベッド」、サザンオールスターズの「いとしのエリー」は96点台をたたき出す。吉田輝星も歌がうまいと評判と聞くと「自分の方がうまい?それはまちがいないです! かなりの差があります」とそこは譲らない。

 陽気で話し好き。「練習中もぺらぺらしゃべりすぎて(横浜高の平田徹)監督からよく怒られてました」。目標は、メジャー通算630本塁打のケン・グリフィー氏。「ベストナインを取りたい」と誓う若武者が、札幌Dのセンターに登場する日は早すぎてもいい。(秦 雄太郎)

 ◆万波 中正(まんなみ・ちゅうせい)2000年4月7日、東京・練馬区生まれ。18歳。中学時代は「東練馬シニア」で投手、外野手。陸上部員としても活躍し、1年時に100メートル障害で都大会2位、3年時は砲丸投げで全国大会出場。横浜高では3年連続夏の甲子園出場。高校通算40本塁打、投手としても最速149キロをマーク。コンゴ人の父と日本人の母を持つ。家族は両親と姉。190センチ、90キロ。右投右打。年俸は520万円(金額は推定)
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