https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190208-00010000-asahiand-ent&;p=1

【湯山玲子の“現代メンズ解析”】

漫才番組『THE MANZAI』(フジテレビ)で原発問題や沖縄米軍基地問題、杉田水脈議員の「生産性」発言などを取り上げ、痛烈な政治批判を展開、賛否両論を巻き起こしたり、『朝まで生テレビ』(テレビ朝日)で「日本国憲法第9条の2項なんて読んでない」と発言して出演者から袋だたきにされたり……。
 
今もっとも“空気を読まない芸人”、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さん。その社会問題への積極的な発言と、批判や炎上を恐れぬ生き方に注目が集まっています。

【画像】湯山玲子さんと激論を交わす村本さん

今、村本さんを支える価値観とは。これからどんな生き方を目指すのか。「現代のカッコよさ」を読み解くヒントを探るべく、著述家・湯山玲子さんが、村本さんの本音に迫りました。

誰も触れたがらないテーマで漫才をするワケ

湯山玲子(以下、湯山) よもやこんな存在が、芸人の中から出て来るとは思っていなかった。それが村本さん。実力、ルックス、アタマの回転の速さなど、テレビ・メジャー向きの才能がありながらも、その出世すごろくに乗らず、今や無きものになりつつある「体制に風穴を開ける」というお笑いの本質のひとつに全開で取り組んでいる。2017年に続いて、昨年の『THE MANZAI』でも政治や社会問題に焦点を当てた漫才を披露しましたね。相変わらず大きな話題になっていました。

村本大輔(以下、村本) いろいろな意見をいただきましたし、反響はありました。ただ、今回の漫才がおもしろいと感じてもらえたかどうかわからない。というのも、僕は17年に政治的な漫才をやったことで、“そういうことを言う人間”と認識されてしまった。当然18年も同じことやるだろうと思われていたし、その中で政治的な漫才を披露したことはある種の予定調和。普段、政治的な発言をしているワイドショーのコメンテーターと同じようなものですよ。

湯山 一度レッテルを貼られてしまうと、同じことをやっても衝撃は生まれないわけか。「体制批判」ネタというほかが誰もやらない挑戦的な試みでさえも、観客の「慣れ」にさらされるという厳しさがありますね。そこに、芸人としては考えるところがあるんじゃないの?

村本 いやいや、この1年での気づきやショックを受けたことが山ほどあって、正直言い足りない気持ちのほうが強い。日本は臭いものにふたをする国だから、開けないといけないふたが無限にある。そこに誰も触れないから、ブルーオーシャンですよ。

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時代遅れ? お笑い界の“お約束”

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現代のカッコよさは「弱者に寄り添うこと」

湯山 この連載は「現代のカッコよさ」を探るものです。今の時代の男性的な魅力、男らしさとはなんだと思いますか。

村本 本当の意味で弱者と言われている人に寄り添うことだと思う。弱者をリスペクトして学ぶ。沖縄、在日外国人、障害者……女性に対しても「差別されてきたんだから、自虐しなくていい」と男性がゲタを履かされている側として言うべきです。誰かを住みにくくする言葉はどんどん取り払っていかなければいけない。

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