国際サッカー連盟(FIFA)が22年ワールドカップ(W杯)カタール大会を共同開催に変更する可能性が24日、浮上した。

26年W杯から予定していた参加チーム拡大の前倒しを検討中。48チームに増えれば大会運営面でカタールでの単独開催は難しくなるため、周辺国と共催の可能性を模索している。筆頭候補はサウジアラビアとUAE。参加チーム数や共催に変更するかどうかなど、3月のFIFA理事会(米マイアミ)で最終決定する見込みだ。

3月のFIFA理事会を前に、W杯カタール大会の共催案が本格的に検討されていた。関係者は「検討は事務局レベルでずっとしている。参加48チームになるのは、みんな賛成している。カタールだけで開催できればいいが(参加チームが増えれば)できないと言っている。予選も始まるので、今度の3月の理事会で決めないと間に合わない」と話した。

実現となれば、周辺国との共催になる公算が大きい。かねてFIFAのジャンニ・インファンティーの会長が、26年のW杯カナダ・メキシコ・米国の3カ国共催大会から実施する参加チームの拡大について、1大会前倒しすることに意欲を示している。カタール大会は7都市12会場での実施を予定しているが、参加国が16チームも増えると試合数は64から80に増加。施設面や膨らむ運営費用などを考慮すると、単独開催は厳しくなる。カタールは単独開催を希望しているようだが、もし48チーム参加となってW杯を開催するためには、他国との共催のほかに道がないのが現状だ。

共催の筆頭候補にはサウジアラビアとUAEが挙がっている。サウジアラビアはW杯5度出場を誇るアジアの強豪で、22年11月21日の開幕戦はサウジアラビア、同12月18日の決勝をカタールに分散するという情報もある。UAEは鹿島がアジア王者として参戦した昨年12月も含め、過去4度のクラブW杯を成功させた実績がある。両国はカタールと国交断絶中のため実現へのハードルは低くない。それでも、共催実現が国交回復への兆しとなることも期待できるのではないかという国際的な見方もある。

48チームになることで懸念される試合数増加への対応策も、すでに議論。1次リーグの各グループを従来より1減の3チームにすることで、決勝までの合計試合数を従来の7試合に合わせる。日程は予定通りの28日間で延長はなく、選手の身体的負担の増加を防ぐための「1グループ3チーム案」も各大陸の連盟の担当者に提案済みで、大多数からの支持を得ているという。

共催となれば02年日韓大会以来。参加国が拡大となればアジアには8・5枠が与えられ、プレーオフを含め最大9チームが出場権を得る可能性がある。2月にFIFAの幹部レベルで最終案をまとめ、3月の理事会で諮られる見込みだ。

◆W杯共催 W杯が初めて共催となったのが02年の日本と韓国の日韓大会。それぞれ10都市の計20都市で行われた。26年大会は出場32カ国から48カ国への拡大が決定済み。開催国も米国、カナダ、メキシコの3カ国共催が決まっている。22年カタール大会は現状、出場32カ国で7都市12会場で行われる予定となっているが国土の総面積約1万1600平方キロメートルと、日本の関東(約3万2400平方キロメートル)の約3分の1程度しかなく、首都ドーハに6会場が集中している。

1/25(金) 6:00 日刊スポーツ
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