2020年東京五輪・パラリンピック招致を巡る不正疑惑で、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が15日、東京都内で記者会見し、改めて身の潔白を主張した。フランス司法当局は昨年12月から贈賄容疑で本格的な捜査を始めており、竹田氏は捜査中を理由に質疑は受け付けず、会見は7分で終わった。

 竹田氏は「12月10日にパリでヒアリングを受け、質疑応答し、自らの潔白を説明した。フランス当局と全面的に協力し、自ら潔白を証明すべく全力を尽くす」と述べた。騒動となっていることについて「大会準備されている皆様、組織委員会、オリンピックムーブメントに影響を与えかねない状況となり、大変申し訳なく思っている」と陳謝した。関係者によると、経緯を説明するため自身の希望で記者会見を開いた。

 招致委員会の理事長を務めていた竹田氏は、招致委が13年にシンガポールの「ブラックタイディングス社」の口座に振り込んだ約230万ドル(約2億3000万円)について「コンサルタント契約に基づく正当な対価を支払ったもので、贈賄にあたるような不正は何も行っていない」と主張している。フランス司法当局は支払いの一部が同社を通じ、当時有力な国際オリンピック委員会(IOC)委員で国際陸上競技連盟(本部・モナコ)会長だったラミン・ディアク氏の息子であるパパマッサタ氏に渡ったとみて捜査している。

 JOCは弁護士らによる調査チームを設けて調べ、16年9月、違法性はないとの報告書を公表していた。

 柴山昌彦文部科学相は閣議後の記者会見で「竹田氏の説明を信じて、引き続き五輪の準備を進める。疑惑を払拭(ふっしょく)できるよう説明責任を果たしてほしい。フランス当局、IOCの動向を注視したい」と述べた。

1/15(火) 11:10配信
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