青森山田のスタメンは準決勝から変更なしと予想。一方、流経大柏のスタメンは流動的だ。エースキラー・横田を起用する可能性も
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両者はリーグ戦で2度対戦。青森山田が1勝1分と勝ち越しているが…

 高校サッカー選手権の決勝が1月14日に行なわれる。日本一の座を懸けて相まみえるのは青森山田と流経大柏。どちらも高校の3大タイトルである選手権、インターハイ、2種年代最高峰のプレミアリーグを制した経験があるだけに激戦必至だ。

 今季、両者はプレミアリーグEASTで2度対戦。青森山田が1勝1分で勝ち越しているが、実力は互角。「流経大柏とはB戦でも1年生同士の対戦でも、バチバチやり合う展開になる。闘争心は剥き出しになるので、良きライバルとして戦いたい」と黒田監督が言うように、90分を通じて激しいバトルが繰り広げられることが予想される。
 
 今大会の青森山田は攻撃力を前面に押し出し、勝ち上がってきた。初戦となった2回戦の草津東戦は6−0の快勝。3回戦は優勝候補・大津に対して3−0、準々決勝では矢板中央を2−1で下して4強入りを果たした。準決勝の尚志戦は劣勢に立たされていたが、2−3で迎えた最終盤に途中出場の小松慧(3年)が値千金の同点弾。そこからPK勝ちを収め、2年ぶりの戴冠まであと1勝へと迫った。
 
 チームの核は札幌入団内定のアタッカー・檀崎竜孔(3年)と福岡入団内定のCB三國ケネディエブス(3年)。個の力に優るふたりが、攻守の核としてチームを牽引する。脇を固める人材も多士済々で、右サイドハーフのバスケス・バイロン(3年)や2列目の武田英寿(2年)、守護神の飯田雅浩(3年)などタレントは豊富だ。

 ベンチにも「自称・炎のストライカー」と黒田監督が称したスーパーサブ・小松や、東京Vユースから春に転校してきたプレーメーカー・武眞大(3年)、1年生とはまるで思えない強心臓の持ち主・藤原優大が控えている。戦力の厚みは今大会屈指だろう。また、決勝前日の練習の雰囲気も良く、指揮官も「選手権を制した一昨年のチームの状況に似ている」という。メンタル面の充実もチームにとって大きなアドバンテージになりそうだ。
 
🌑高校最高峰のエアバトラー対決を制するのは?

一方の流経大柏も青森山田と同じく2回戦から登場。初戦の徳島市立戦こそ2−1の逆転勝利で薄氷を踏むも、以降は手堅い試合運びで勝ち上がってきた。星稜との3回戦、秋田商との準々決勝はいずれも1−0。本田裕一郎監督が状況に応じて相手のエースを封じる策を打つなど、相手のストロングポイントを抑えて勝利に繋げた。

 5−0の完勝だった準決勝の瀬戸内戦も、敵の長所を消すべくシステムを4−4−2から4−2−3−1に変更。プレスの仕方にひと工夫を加え、ポゼッションスタイルを嗜好する相手を封じ込めた。「青森山田が絶好調ならプレスはうまくかからない。食らいつきたいと思います」と本田裕一郎監督も警戒を強めており、これまで同様に何かしらの対策を打つ可能性は十分にあるだろう。
 
 そうした戦術面に加え、今大会は攻守の要が躍動しているのも好材料。技巧派MFの熊澤和希(3年)や鹿島入団内定の怪物CB関川郁万(3年)が抜群の存在感を放っており、決勝でも持ち前の勝負強さを発揮できれば、チームにとってこれほど心強い存在はない。
 
 攻守に核となる選手を擁している両チーム。ハイレベルな戦いが予想されるなか、どちらが制するのか。勝負を分けるポイントを見出すとすれば、セットプレーが肝となる。
 
 青森山田と流経大柏はともに空中戦を得意とするチームで、FK、CKに加えてロングスローからもチャンスを作ることが可能。前者は192センチの三國、後者は高校サッカー界屈指のエアバトラー・関川。彼らが攻守のキーマンになるはずだ。
 
 両雄ともにお互いを意識していないと話すが、空中戦には絶対のこだわりがある。関川が「制空権を譲る気はない」と話せば、三國も「同じCBとして関川のほうが(今大会で)点を取っているので負けたくない」と意欲は十分。このふたりの対決が決勝のスコアを大きく左右すると言っても過言ではないだろう。
 
 4058校の頂点に立つのは青森山田か、それとも流経大柏か。注目の一戦は14時5分に埼玉スタジアム2002でキックオフを迎える。

2019年01月13日 サッカーダイジェスト
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=52677