まさかの失態だ。アジアカップ1次リーグF組初戦に臨んだ国際サッカー連盟(FIFA)ランキング50位の日本は、同127位のトルクメニスタンに先制を許すなど大苦戦した。
ロシアW杯組の奮闘で逆転し、3―2と辛勝したものの、躍進を期待して送り出した若手の“森保チルドレン”たちがミスを連発する大誤算。アジア王座の奪還に向けて暗雲が垂れ込めてきた。

日本は0―1で迎えた後半の3得点で逆転勝ちした。後半11分、FW大迫勇也(28=ブレーメン)が巧みな切り返しから右足で同点ゴール。
4分後にDF吉田麻也(30=サウサンプトン)のロングボールを起点に左を崩して再び大迫が決め、同26分にはMF堂安律(20=フローニンゲン)が加点した。
守備陣は前半26分にロングシュートを浴びて先制を許し、後半34分にはPKで失点。相手への寄せやカウンターのリスク管理に課題を残した。

日本は序盤から押し込まれると、前半に先制を許し、焦りから空回り、後手後手の展開。
後半にはロシアW杯のヒーロー・大迫の2得点などで何とか逆転したが、実力差のある格下の相手に薄氷を踏むギリギリの勝利となった。

主将の吉田は「前半は体が動いていなかった。自分たちで試合を難しくしてしまった。本当に覚悟と決意を持って試合に臨めたのか自問自答しなければならない」と自身を含めて苦言を呈し、
DF槙野智章(31=浦和)も「引いて守る相手への工夫をもっとやらないといけない」と厳しい表情だった。

チーム全体としてパフォーマンスが低調だったが、特に目立ったのが森保一監督(50)が抜てきした若手だ。最初の失点は、堂安のパスミスから相手にカウンターを許したことが原因。
2点目も途中出場のFW北川航也(22=清水)が簡単にボールを奪われてピンチを招き、PKを与えてしまった。

ゴールこそ奪ったが試合を左右しかねない失敗を犯した堂安は「僕が取られてからの失点だった。それは感じている。試合後に『僕が苦しくしてすんません』と(周囲に)言った」と頭を下げれば、
北川も「自分が入って(試合の)流れを変えることができず、相手を勢いづかせてしまった」とうなだれた。

また森保ジャパン発足後に5試合で4得点を決め、今大会でエースとしての働きを期待されていたMF南野拓実(23=ザルツブルク)もリズムを生み出すことができず、
後半27分にチーム最初の交代を命じられた。「細かいミス、イージーミスもあった。修正していかないといけない」と反省の弁を口にした。

ここまで躍動してきた若手が揃って直面した大きな壁。かねてDF長友佑都(32=ガラタサライ)が「アジアカップは若手だけで戦えるわけではない」と危惧していた言葉が的中した格好。
やはりMF本田圭佑(32=メルボルンV)やMF香川真司(29=ドルトムント)不在の穴は予想以上に大きいようだ。

森保監督が「自分たちで新しい日本代表を築いていくという考えから、この(若手)メンバーを選んだ」という“チルドレン”たちは巻き返せるのか。アジア王座奪還に向け、次戦以降に真価が問われそうだ。

1/10(木) 16:32配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190110-00000030-tospoweb-socc

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