9日から新人合同自主トレがスタートする。プロ入りするにあたり、吉田輝星が大きな刺激を受けたのは、昨夏の甲子園決勝で対戦、U18でチームメートになった中日1位の根尾昂(大阪桐蔭)だという。
単独インタビュー後編では、そのU18で実現した根尾とのやりとりを中心に話を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

――U18では根尾や藤原恭大(大阪桐蔭)ら高校生のトップ選手が集まる中、「高いレベルでやって、自分の物足りなさを感じた」と言っていた。

「やっぱり、野球に取り組む姿勢が違いました。とくに(大阪)桐蔭の選手は普段の練習からしっかりやっているんだな、というのが分かるくらい意識が高かった。
あとは、やっぱり私生活と野球でのオンとオフの差がすごいきっちりしているなという印象は、どの選手からも受けた。そこは自分が大事にしているところでもある。もっと大事にできればと思いました」

■気になっていた決勝戦のイメージ

――中でも根尾に大きな刺激を受けたそうですね。どんなやりとりを?

「根尾が(宿舎の)部屋に来たり、自分が部屋に行ったりして、いろいろ話しました。自分が気になっていたのは決勝戦のイメージ。
決勝とそれまでの試合とで違う部分があったのかなとか。決勝では疲れとかもありましたが、投球がどう変化したのかなというのはすごく気になっていました」

――決勝は5回12失点で降板。それまでの試合と比べて難しいと感じた部分があった?

「初回にピンチを招くのは何回もあったことですけど、(3失点した)初回、中川と藤原を三振に取った時に気の緩みが出て、それがゲームを決めてしまったのかなと」

――その後、根尾に四球を与えて2死満塁とし、暴投などで3失点した。

「はい」

■投手のクセや心理面

――五回にはその根尾に2ランも浴びたが、彼はどう見ていた?

「『やっぱり疲れは出ていた』とは言っていました(笑い)。あとは、自分のことをかなり研究していたらしくて、投球時のしぐさだったり、投げ方を見て、いい球が来るか来ないか、外から観察して分かることがあったと。
変化球を投げるときに、変化球の腕の振りで投げてしまったり……」

――腕が振り切れず、緩んでしまったと……。

「そういうところは自分でも修正しようと思っていて、甲子園には間に合わなかったんですけど、そこは自分の思っていた通りだったなと」

――そこまでよく見てるなとか思ったりも?

「自分も打者のときに投手の握りとかを結構見てますけど、いい選手というのはやっぱり、自分を打つためにそういうところも見ていると思う。
根尾も投手をやっていて、自分がピッチャーの時にこうしたくなるというクセや心理面を分かっているので、最終的にそういうところを教えてもらえたことはすごくうれしかったです」

――根尾のように意識の高い人間がプロに行くんだなとか、プロってこういう場所なのかとか、刺激を受けた?

「プロで通用する部分もあれば、しない部分もある。
通用している部分はさらに伸ばし、していない部分や、苦手なところが出てきたら、底上げして普通のレベルまでもっていくことができれば、普通に勝負できるのかなと。
同じ年の根尾たちとプレーして希望のようなものが持てました」

――1位指名で契約金は1億円。大金だと思うが。

「プロでは長くやる人もいれば、ケガとかで長く続かない人もいる。自分次第とは思うんですけど、デッドボールだったり、打球が当たったりとかして、
そういう(不慮の)部分も含めて(野球人生が)どう終わってしまうのか分からない状況なので、しっかり考えて使わないといけないなあと」

――いざ、野球ができなくなったときのために取っておこうという感じ?

「まあ……そうですね」

――プロには「グラウンドにはゼニが落ちている」という言葉がある。

「(苦笑いを浮かべながら)いや、なんかお金に関してはそんなに思ってなくて、プロ野球選手になりたいからプロ野球選手になったという感じですかね」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190109-00000012-nkgendai-base
1/9(水) 9:26配信