4月1日から10歳0カ月30日という史上最年少で囲碁のプロ棋士となる小学4年生の仲邑菫(なかむら・すみれ)さん(9)が6日、大阪府東大阪市の市役所で、憧れの存在と話す囲碁界の第一人者、井山裕太棋聖(29)と公開対局を行った。時間切れで勝敗は付かなかったが井山棋聖は菫さんの才能を大絶賛した。

井山棋聖の出身地である同市で行われた「井山杯新春囲碁フェスティバル」で、昨年大会小学部の優勝者として菫さんが井山棋聖に挑んだ。菫さんは、先手のみが与えられるわずかなハンディで対局に臨み、序盤は互角以上の局勢だったが「近い将来、やられる可能性が高いので今日は頑張ろうと思っていた」と話した井山棋聖が終盤で意地を見せ、井山棋聖優勢のまま、制限時間切れの「打ち掛け」で引き分けとなった。

昨年も同大会で菫さんと対局している井山棋聖は「(昨年と)比べものにならないくらい強くなっていた」と成長に驚き「ほんと恐ろしい子だなと思いました」。対局内容については「途中までは、はっきり押されて非常に苦しかった」と感想を話した。

対局中は背筋をピンと伸ばし、鋭い視線を碁盤に向けていた菫さんは対局後、終盤の劣勢に少し悔しそうな表情だった。

父の仲邑信也九段や井山棋聖らと会見に出席した菫さんは、勉強になった様子で「(井山棋聖と)打ててうれしかったです」と笑顔で対局を振り返った。

12歳でプロ入りし、史上初の囲碁七大タイトル独占を2度果たして18年に国民栄誉賞を受賞している井山棋聖は「今まで見たことが無い才能。自分の9歳の頃とは比べものにならないぐらい強い」と菫さんの才能に舌を巻いた。プロの先輩として「ご自身のペースで進んでいっていただければ、これからすごい棋士になっていかれることは間違いない。大きな舞台で戦えるように」とエールを送り「女流棋士という枠を超えて、男性に交じっても十分、天下を狙える才能だという風に感じました」と太鼓判を押した。

会場には、2人の対局を見ようと老若男女の囲碁ファンが大勢詰めかけた。報道関係は50社以上約100人が集まり、大きな注目が集まった。【奥田隼人】


1/6(日) 19:34配信 日刊スポーツ 井山棋聖「恐ろしい子」9歳菫さんの才能を大絶賛
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190106-00437809-nksports-soci
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公開対局を行った仲邑菫さん(右)と井山裕太棋聖(撮影・奥田隼人)
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