豊原功補の意向で一緒に始めた事が今回の「いだてん」出演に繋がったんだね。

<「東京かわら版」2017年5月号「巻頭エセー 小泉今日子」より>
「落語のらの字も知らなかった私が、落語を原作とする演劇のプロデュースをすることになった。
まもなく新宿紀伊国屋ホールで上演される「芝居噺 名人長二」。
フランスの小説家モーパッサンの「親殺し」を元に、三遊亭円朝が落語に仕立てたものである。
新聞連載として生まれたこの噺を、円朝自身は高座にかけたことはなかったらしい。
この落語を演劇にしようと、俳優の豊原功補氏からご提案頂き動き出した次第である。」

残存している音源で通し口演は昭和の名人・古今亭志ん生によるもののみ。
この希少な落語を小泉今日子につなげたのが豊原功補だった。
豊原は若き日に志ん生の音源でこの噺に出会ったという。

<「東京かわら版」2012年7月号「巻頭エセー 豊原功補」より>
「 二十歳前、六本木の青山ブックセンターで、
たまたまそこに並んでいた志ん生のカセットテープが目に入ったんです。
名前に聞き覚えがあったのと山藤章二さんのイラストが気に入って一本買ってみたら面白くて、
結局全巻買ってそれを聞きながら寝るのが癖になってしまいました。」

カセットでの志ん生全集によって豊原は『名人長二』と巡りあう。
それにしてもだ。時を経て、この知られざると言ってもいい演目が小泉今日子と落語をつなげることになるとは。
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