◉ 支配下での戦力外は若松、谷の2人、育成では3選手が戦力外通告

2016年途中から指揮を執る森繁和監督の下で戦う3年目のシーズンとなった中日。松坂大輔投手の入団により開幕前から大きな注目を集めた今季、6年ぶりのクライマックスシリーズ出場、7年ぶりのセ・リーグ優勝を狙ったが、結果的には63勝78敗2分の5位に沈んだ。

 シーズン終盤まで3位の可能性を残したが、シーズン中もAクラスが目前に迫ると連敗を喫して引き離され、再び追い上げては、離されるという浮き沈みの激しい1年となった。チーム打率はリーグ2位を記録したが、同防御率は12球団ワースト。6年連続Bクラスで、セ・リーグで最もCSから遠ざかっている。

 2000年代中盤からは常に優勝を争っていた中日だが、近年は苦しい戦いが続く。なんとか巻き返しを図りたい来季に向け、ドラフトでは1位で喉から手が出るほど欲しかった準地元・岐阜出身の根尾昂内野手の獲得に成功。2位で即戦力の梅津晃大投手もチームに加えた。

 その一方で、岩瀬や荒木、浅尾といった長らく中日を支えてきたレジェンドたちが相次いで現役を引退。このオフだけで実に6選手がユニホームを脱ぐことに。支配下での戦力外は若松、谷の2人にとどまり、育成で3選手が戦力外通告を受けた。

 そこで、ここでは現役引退や戦力外などになった選手の主な実績などを振り返ってみたい。

○岩瀬仁紀(現役引退)
前人未到の1000試合登板を果たした“鉄人左腕”。西尾東高から愛知大、NTT東海を経て1998年のドラフト2位で中日入り。1年目にいきなりセットアッパーとして65試合に投げて10勝をマークすると、そこから歴代最高の15年連続50試合超に登板。2004年途中からはクローザーとなり、2005年から9年連続30セーブを達成した。
昨季、50試合に投げて復活し、今季も48試合に登板したが、今季で引退。3度の最優秀中継ぎ投手、5度の最多セーブに輝き、通算1002試合登板、通算407セーブは歴代最高記録。24歳でのプロ入りだったが、プロ20年間で輝かしい実績を積み上げた。通算1002試合59勝51敗407セーブ82ホールド、防御率2.31。

○浅尾拓也(現役引退→2軍投手コーチ)
 岩瀬とともに中日の“黄金期”を支えた中継ぎ右腕。常滑北高、日本福祉大を経て2006年の大学生・社会人ドラフト3位で入団。2年目に44試合に投げて勝利の方程式の一角を担うと、2009年には先発として開幕投手を務めて勝利。
その後は岩瀬に繋ぐセットアッパーの地位を確立し、2010年には72試合に投げて12勝、NPB歴代最高の47ホールドを記録。
2011年にも79試合に投げて45ホールドをマークした。2012年以降は右肩の故障に苦しめられて登板数を減らした。今季も10試合の登板に終わり、現役を引退。通算416試合38勝21敗23セーブ200ホールド、防御率2.42。

○荒木雅博(現役引退→2軍内野守備走塁コーチ)
 巧打堅守の内野手として中日の“黄金期”になくてはならない存在だった。1995年のドラフト1位で熊本工から入団。1軍に定着したのは6年目の2001年。
111試合に出場して打率,338を記録すると、2002年からはレギュラーに。以後、“アライバコンビ”としてチームを支え、2017年には史上48人目の通算2000安打を達成した。
ベストナイン3回、ゴールデングラブ賞6回、盗塁王1回。通算2220試合7639打数2045安打34本塁打468打点、打率.268。

○野本圭(現役引退)
 岡山南高から駒沢大、社会人の日本通運を経て、2008年のドラフト1位で入団。今季で10年目だった。ルーキーイヤーから64試合に出場すると、2010年には118試合に出場。
だが、故障もあって外野手のレギュラー定着はならなかった。今季はわずか8試合出場に終わり、現役引退を決断。通算449試合827打数185安打83打点、打率.224。


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