大相撲の幕内・貴ノ岩(28)=千賀ノ浦=が7日、師匠・千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)とともに東京・両国国技館を訪れ、日本相撲協会に引退届を提出。即日、受理された。貴ノ岩は冬巡業中の4日夜、付け人の三段目・貴大将(23)に暴力を振るって部屋で当面の謹慎処分を言い渡されていた。厳罰は避けられない状況だったが、騒動を起こした責任を取って自ら身を引いた。引退後の会見では目を潤ませて猛省の言葉を繰り返した。


 昨年の九州場所後に貴ノ岩への暴行の責任を取って引退した元横綱・日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジ氏(34)は7日、母国・モンゴル滞在中に関係者を通じて後輩力士の引退を知らされた。同じ過ちを犯して猛省を繰り返した苦い経験から、周囲には「こんなことになって非常に残念。これからどうするのかが心配」と漏らしたことが判明。貴ノ岩の決断に胸を痛めているという。

 自身が昨年10月に鳥取市内で振るった暴力は、後輩の乱暴な振る舞いを改めさせる目的だったとはいえ、決して許されるものではない。横綱としての責任を痛感し、力士人生に別れを告げた。相撲協会が今年10月に「暴力決別宣言」を発表する契機にもなった。現在は母国で幼稚園から高校までの一貫校「新モンゴル日馬富士学校」を運営。日本の礼儀作法や教育システムを導入し、教育者としても活躍している。

 秋場所後には、貴ノ岩から約2400万円の損害賠償を求める民事提訴(その後取り下げ)を起こされた。それでも、もともとは目をかけてきた弟分。人は憎まず、遺恨は残さなかった。最後まで「(力士を)辞めてしまうのはね」と声を震わせ、後輩の行く末を案じていたという。

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