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■ 反感ポイント3・昔からのファンを捕まえるため、ファーストと似せ過ぎたストーリー展開

それから最後に『SEED』について個人的に一番の悪手だったと感じるところがある。それは、わざわざアンチを増やすような展開を用意してしまった点だ。

本作は、序盤からしばらくの間、徹底してファーストガンダムの展開をなぞっている。もちろんこれはパクりではなくオマージュの域で済む話だ。だけどやっぱり、ガンダムオタクってこういうのにいちいち反応してしまうわけで。

襲撃を受けたコロニーでガンダムにたまたま乗った少年が敵を撃退し、そのまま宇宙基地に移動して、やがて地球に降下。このあたりまでの初代ガンダムでやっていた流れをトレースしたばかりに、「昔のほうが良かった」という比較して叩きたいオタクを増やしてしまったんじゃなかろうか。

まあ、プロットが同じだけでやっていることは全く違う部分も多いんだけど、僕個人としても「どうせ新作やるなら、展開も新しくすればいいのに」と思ってしまった。こういった展開の類似性自体は中盤頃には目立たなくなるが……。

以上の3点を攻略口として、アンチは本作を中傷するきっかけを求めていったという経緯もあると思うんだよね。もちろん、一番荒れる原因となった問題は『SEED』の監督の発言の数々にあるし、これが一番大きな要因だろう。ただ、それは他のコラムで指摘されまくっているので、今回はあくまで作品の中から読み取れる部分に着目して抜き出してみた。

最初に書いたように、僕は『SEED』が好きでも嫌いでもない。でも、強烈に中傷をしているアンチと、熱烈に擁護しつつも他ガンダム作品を貶している本作のファンがいる影響で、今後も好きになることはないだろう。