>>1つづき)

◇ゆにばーす(2013年結成、よしもとクリエイティブ・エージェンシー)

ゆにばーすの川瀬名人も、スーパーマラドーナの武智と並んで、『M-1グランプリ』への情熱を公言する芸人の1人だ。「優勝をしたら芸人を辞める」と言っているほどだから、その熱量は桁違いである。『M-1グランプリ』の傾向と対策を徹底的に研究した彼の努力は実を結ぶのだろうか。

◇トム・ブラウン(2009年結成、ケイダッシュステージ)

初決勝組の中では、トム・ブラウンに注目したい。

2人が一緒になってふざけて暴走する、実質的に「ツッコミ不在」の漫才が特徴的だ。幼稚園児がクレヨンで描いた落書きのような、自由奔放で力強い漫才である。型にはまったときの爆発力は他の追随を許さないだろう。

◇ギャロップ(2003年結成、よしもとクリエイティブ・エージェンシー)

◇見取り図(2007年結成、よしもとクリエイティブ・エージェンシー)

◇霜降り明星(2013年結成、よしもとクリエイティブ・エージェンシー)

もちろん、大阪の劇場では「スベリ知らず」と噂される実力派のギャロップ、とぼけた味わいのあるツッコミが魅力的な見取り図、よしもとの若手で期待度No.1の霜降り明星も、それぞれに強みを持っている。

◆『M-1グランプリ2018』審査員は?

2018年の大会で審査員を務めるのは、オール巨人、上沼恵美子、サンドウィッチマン・富澤たけし、立川志らく、ナイツ・塙宣之、中川家・礼二、松本人志の7人(50音順)。志らくと塙が審査をするのは初めてだ。

この7人の顔ぶれを見ると、「東西の偏りをなるべく小さくする」「次世代のM-1審査員を育成する」という2つの意図を感じる。

東西格差の問題は特に重要だ。『M-1グランプリ』は吉本興業と大阪の朝日放送が主体となって行われるイベントであり、もともと関西色が強かった。
決勝に進むのも関西芸人が圧倒的に多い。そこで審査員まで関西人で固められてしまうと、さすがに不公平だという印象を与えてしまう。
そのため、今回は志らく、富澤、塙という非関西人3人が名を連ねているのだ。

塙が起用されたのは、これまでの漫才師としての実績が評価されたからだろう。
『M-1グランプリ』や『THE MANZAI』での優勝経験こそないものの、何度も上位に食い込んでいるし、老若男女を笑わせる上質な漫才を作り続けている数少ない芸人の1人である。
この世代でこれだけの実績を持っている非関西系の漫才師はそれほど多くないため、今後もお笑いコンテストの審査員として重宝されそうだ。

審査の傾向としては、志らく以外の6人が漫才師であるため、漫才の技術的な側面が主に評価されることになるだろう。
過去の大会でも全体的にそういう傾向は見られた。

ただ、松本だけは漫才師としては例外的にやや発想力に偏った審査をする。
志らくも、落語家の中では新しい笑いに対する理解があるタイプであり、自分が面白いと感じれば素直に高得点をつけるだろう。
また、新しく審査員に加わる塙がどういう基準で採点をするのかも読めない部分がある。
この3人の点数の付け方が勝敗を分ける鍵になるだろう。

(以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)