◆佐賀県の自虐、ついにゾンビまで…県の担当者がケロッとしている理由

ゾンビ化した少女たちがアイドルとなって佐賀を救う――。
そんなアニメ「ゾンビランドサガ」が話題です。

10月に始まった第1話。佐賀はいきなり「存在自体が風前のともしび」といじられましたが、エンディングにはなんと「企画協力 佐賀県」のクレジットが。
えっ、県が協力して大丈夫なの? 
県広報広聴課で作品を担当する近野顕次係長(37)に、協力の経緯や自虐ネタへの思いなどを聞いてみました。

――佐賀が舞台と知りびっくり、県が協力と知って二度びっくりしました

2016年春、県のフィルムコミッションに製作委員会側から「『ゾンビ』『アイドル』『佐賀』を題材としたアニメの脚本を作っている。自分たちのイメージしている場所を提案してほしい」と話がありました。フィルムコミッションの職員がロケハンに同行し、佐賀市内や唐津市内などを1泊2日くらいで回った。

――その後は

シナリオは見せてもらった。ただ、脚本やシナリオに口を出すことは一切していません。僕たちの範疇(はん・ちゅう)ではないので。どういう市町や観光地、県産品が出ているかをチェックしました。

――劇中では「存在自体が風前のともしびである佐賀」といじられていますが……

細かい自虐ネタは全く気にしなかったですね。

――えっ、気にしなかったんですか!?

例えば映画やドラマで殺人事件のシーンがあるからといって支援しないということはない。それと一緒で、アニメに自虐ネタがあるから支援しないということではない。

それよりも「ユーリ!!! on ICE」や「この世界の片隅に」で知られる(アニメ制作・企画会社の)「MAPPA」(マッパ)と、「Cygames」(サイゲームス)、「エイベックス・ピクチャーズ」という3社が製作委員会で「30分×12話、オール佐賀」。いいPRになると考えていました。

――劇中にはJR唐津駅や佐賀城本丸歴史館なども登場します

スタッフの「佐賀県を盛り上げたい」という熱い思いも強く感じる。佐賀の風景を写真のようにしっかり描き起こしてくれるなど、力の入れ具合がすごい。

――アニメの原作者の名前が「広報広聴課ゾンビ係」というのは、まさに「佐賀県広報広聴課」からでしょうか

そういうことだと思います。ただ、たまに「佐賀県が原作者なんですか」「お金払っているんですか」と聞かれるので、一般視聴者が間違わないかなと(笑)。

――放映のたびにネット上をにぎわせていますが、県内での反響は

声優さんが見た「肥前さが幕末維新博覧会」のコメントの展示について問い合わせがあったり、(ゾンビアイドルたちが暮らす建物のモデルになった)唐津市歴史民俗資料館にも既にファンの方が見に来たりしている。反響の大きさを感じます。

――第2話にはかつてあった「寿通り商店街」(佐賀市)が登場しました。エンディング曲の最後の方にも商店街にあった喫茶店「ボガ」が出てきます

アニメを通して懐かしむことができるのは意義がある。ノスタルジーに浸れるというか。アニメの中では永遠に存在し続けるんだろうなと思います。

――10月に発表されたブランド総合研究所(東京)の「地域ブランド調査2018」では、佐賀は47都道府県の魅力度ランキングで44位タイでした。ゾンビランドサガで反転攻勢なるでしょうか

ランキングはあまり気にしていないが、参考にはしている。アニメを見て順位が一つでも二つでも上がれば。

――作品に対する思いを

県民にも見てもらいたいですね。みなさんにとってよくある風景でも、アニメを通してみるとまた良さが変わって見える。県民も知らないような所もたぶん出てくる。県の魅力を再発見できると思う。そして全国から来たファンに、県民が温かくアニメについて話してくれるような雰囲気ができれば。

(写真)「ゾンビランドサガ」に登場するアイドルグループ「フランシュシュ」。左から山田たえ、ゆうぎり、水野愛、源さくら、二階堂サキ、紺野純子、星川リリィ
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