■寒暖差で劣化、とりあえず塗装

 さっぽろ羊ケ丘展望台(札幌市豊平区)に設置されているプロ野球北海道日本ハムファイターズの選手手形を飾った記念碑が傷み、碑を管理する札幌観光協会は今月、色を塗り直すなどの応急処置を行った。ただ、球団は展望台近くの札幌ドームから北広島市への本拠移転を決めており、費用も多額になるとして、協会は本格修復に踏み切るかどうかで悩んでいる。

 碑は高さ1.4メートル、幅7メートルのれんが造り。日ハムの北海道移転を記念し、手形の原板を所有する名寄市の土管業者が2004年に寄贈した。40枚の陶板にトレイ・ヒルマン元監督、新庄剛志さんや稲葉篤紀さんらの手形とサインが焼き付けられている。台座には高橋はるみ知事が「丘の上の夢」と揮毫(きごう)している。碑の向こうに札幌ドームが一望でき、観光スポットとなっている。

 だが、屋外にあるため寒暖差による劣化がこの14年間で進行し、陶板が大きく割れたりひび割れが目立つようになった。とくに気温差が大きかった昨冬に被害が拡大したという。協会は16日から数日かけてペンキを塗るなどして割れが目立たないようにした。

■「ある意味が薄れた」との声も

 ただ、協会によると、陶板を交換するなどの抜本的な改修には100万円以上かかるという。日ハムが本拠地移転を決めたことで、市内の観光関係者の中には「碑が札幌ドームに近い羊ケ丘にある意味が薄れた」との指摘もある。協会は「大規模改修するにも微妙なタイミングだ」としており、記念碑の今後については来年夏ごろまでに結論を出したいとしている。

 12日に展望台を訪れ、色を塗り直す前の記念碑を見た埼玉県の大杉真弓さん(61)は「新庄(剛志)さんの手形を見られて良かった。札幌移転の記念なのできれいに残してほしい」と話していた。


11/21(水) 6:33配信 北海道新聞
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