http://oberoffer.hatenablog.com/entry/2018/04/15/192959
ファイターズ新球場の交通アクセスを考える

北広島駅からの距離は1.7kmほどで、歩けない距離でもありません。しかし、
輪厚川の谷があるため坂道になっており、歩くのは楽ではありません。そこで、
ボールパークのすぐ側を通過する千歳線に新駅を設置してほしいということを
球団と北広島市はJR北海道にお願いしているわけです。

しかしJRは慎重姿勢です。事情を知らない人は、経営が大変厳しいJR北海道に
とって、乗客が増えるのは良いことだから、そんなに慎重にならず全面協力す
べきなのでは?なんて思ったりしているようですが、千歳線の置かれた状況を
理解していればこんなことは思いません。

千歳線というのは、知っての通り北海道の正面玄関である新千歳空港と北海道
の首都札幌とを結ぶ重要路線であり、また札幌近郊の通勤通学輸送を担う路線
でもあり、更には函館・本州方面や帯広・釧路方面への輸送も担うという、北
海道の中で特に背負ってる任務が多い路線なのです。新千歳空港の利用者は伸
びに伸びて、快速エアポートは輸送力の限界を迎えつつあります。そのため、
現在の毎時4本から5本に増やすために、貨物線との分岐部分を立体交差化する
とかなんとか言ってる状態なのです。

本数を増やせないなら、編成両数を増やせばいいじゃない!と思った方、これも
増やせないんですよこれが。それは新千歳空港駅の構造を見ればわかります。新
千歳空港駅は空港ターミナルビルの地下にあり、ホームが6両ギリギリの長さし
かありません。空港〜南千歳の支線部分は単線のため、ホームからはみ出して止
まるなんてこともできません。これをもっと伸ばすことができれば良いのですが、
空港の地下での工事とかいうクッソ面倒なことをするよりは、さっき言った貨
物線の分岐のとこの工事のほうがまだ安上がりなんでしょうね。

で、ですよ。そんな大変限界な千歳線に、球場へのアクセスという新たな使命
が課されたらどうなるか、あまり想像したくないですよね。

混雑が激しい快速エアポートに球場輸送を担わせると混乱が起きる!として
ボールパーク前駅(仮)に普通列車しか停めない場合を考えると、普通列車は30分
ほど開くのがザラ、しかも基本は3両編成というこの状況ではどう考えても間に
合いません。そこで増便を強いられるでしょうが、快速エアポートを毎時1本増
やすだけでヒィヒィ言ってる千歳線に、増便の余地はあるのでしょうか?

じゃあ快速エアポートもボールパーク前駅(仮)に停めたら?空港からのアクセス
が良くなって相手チームのファンや内地のハムファンが大喜び!なんて呑気なこ
とを言ってる場合ではありません。空港へ急いでいるのに快速エアポートが混雑
しすぎて乗れず、飛行機に間に合わなかった人が新千歳空港で暴れだす光景が容
易に想像できます。

そして、ファイターズの本拠地での年間試合数って、60にも満たないんです
よね。その時だけ大混雑するけど、残りの300日くらいは無駄な設備と化すよ
うな駅に投資してる余裕なんてねーよ!なーんて思われてたりしてるんじゃな
いすかねーこれ。