俺の家は決して裕福じゃなかった
それなのに毎年俺の誕生日になると親父は「何か欲しいものないか?」って聞くんだ
そんな金ないことくらい子供でもわかるってんだよ
だから毎年「今年はいいや」ってスルーしてたんだ
だけど、その年はワールドカップイヤーで学校の奴らは例年以上にサッカーで盛り上がっててさ
クラスでサッカーをスタジアムで見たことない奴が俺だけで笑われたりしてたんだよ

だから、つい口が滑って「サッカーの試合を見に行ってみたい」って言っちゃったんだ
そしたら親父「わかった」って一言言ってさ

それからしばらくして「おい、チケット買ってきたぞ」って
俺はおおはしゃぎでさ、で当日スタジアムの前に行ってでけぇなぁとか思ってたら親父が
「ごめんな、父ちゃんこれから仕事で一緒に中には入れないんだ。だから父ちゃんの分も力いっぱい応援しといてくれよ」ってさ
これから仕事の奴がスタジアム前まで一緒に来るかよ
てゆーか初めてのスタジアムで右も左もわからねーしこえーよ
だけど、親父の気持ちはわかったから
「だいじょうぶ、いってみる。…ありがとう、父ちゃん」って伝えたね

で、何とか試合観戦してスタジアムから出てみたら親父そこにいんのw
で、しきりに「どーだった?楽しかったか?」ばっか聞くのw
あまりにしつこくて「もー何度きくんだよ、一緒に見ればよかったじゃんか」って言ったら親父
「あはは、そーだよな」ってすげー照れたように恥ずかしそうに決まりが悪そうに笑いよんのw

あの日の試合、今でも覚えています
あの日みたいに格好いい姿、もう一回見せてください
がんばれアントラーズ


上の話は嘘です すんません