苦しむ日本人ドリブラーを指揮官はどう見ているのか?

現地時間11月8日、ベティスはヨーロッパリーグ(EL)のグループF第4節でミランとホームで対戦する。
本拠地でセリエAの強豪を迎え撃つ一戦は、グループ突破を目指すスペインの古豪にとって言うまでもなく重要な試合だ。

前節の対戦では敵地サン・シーロで2-1と接戦を制し、グループ首位に浮上したベティスだけに、連勝を飾れれば決勝トーナメント進出にも光明が差す。
それほど重要な一戦において指揮官が誰を使い、いかなる戦術で挑むのかは、実に興味深いところだ。とりわけ、乾貴士に関しては、出場するのかどうかが、大きな注目を集めている。

今夏の移籍市場でエイバルからベティスに鳴り物入りで入団した乾だったが、シーズンの開幕からここまでラ・リーガでの先発出場は、わずか5試合(11節終了時点)にとどまり、定位置の確保には至っていない。
そんな日本人MFについてベティスのキケ・セティエン監督は、「全てにおいて、いまだ我々の期待しているレベルにない」としたうえで、現在、積極的な起用を避けている理由を明かした。スペインのウェブメディア『El Desmarque』が報じている。

「心理的な要因があると思う。ワールドカップに出場した選手は、皆、イヌイと同じような状況になる傾向があるんだ。彼の振る舞いそのものは悪くはないし、やらなくてはいけないことはやっている。
それに練習もちゃんとこなしている。ただ、彼は心理的に少しいき詰まっていて、もう少し時間が必要だ」

 ロシア・ワールドカップ後の心身の疲労が蓄積し、それがプレーに影響を及ぼしていることを指摘したセティエン監督だが、乾への信頼を語ることも忘れてはいない。
「もう少しだけ適応する必要がある」と課題を口にしつつも、次のように強調した。

「イヌイはピッチに立てばできる限りのことはしてくれている。今は他のチームメイトに主役の座を奪われているが、
それは今シーズン、我々がレベルの高いチーム構成となってヨーロッパでの試合にも臨んでいるからだ。

 正直、この中で絶対的なレギュラーを勝ち取るには厳しい状況にある。ただ、もちろん、彼には期待している。
イヌイの直面している状況は極めて普通なことだ。それを克服してサッカー選手としての本来の姿を見せてほしい」

 日本人MFへ発破をかけるかのような言葉を残した“智将”セティエン。
そんな60歳のスペイン人監督の下、乾は今後、エイバル時代と同様の輝きを放っていけるのだろうか? そのパフォーマンスに注目だ。

11/8(木) 20:18配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181108-00049993-sdigestw-socc

写真
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