■「どっから聞いたんですか?」 夕刊フジが直撃

 今年の日本シリーズはソフトバンクが4勝1敗1分けで広島を破り、2年連続9度目の日本一を達成して幕を閉じた。プロ野球はシーズンオフに突入したが、最も注目されるのが、国内フリーエージェント(FA)権を取得した
広島・丸佳浩外野手(29)の去就だ。夕刊フジは「丸の家族はすでに関東に引っ越した」と気になる未確認情報を得て、本人を直撃した。すると…。(山戸英州)

 日本シリーズ最終戦となった第6戦終了から2時間以上経過した、4日午前0時過ぎ。丸がマツダスタジアムの関係者駐車場に姿を見せると、一斉に報道陣が取り囲んだ。

 「悔しいシリーズになってしまった。一度相手に行ってしまった流れがこっちに来なかった」

 6戦合計で25打数4安打、打率・160の不振に終わり唇をかんだ。

 とはいえ、今季レギュラーシーズンでは打率・306、39本塁打、97打点。今季限りで現役を引退した新井に次ぐチームリーダーで、今季セ・リーグMVP選出も有力。FA宣言すれば、資金力豊富で来季は原監督復帰初年度とはいえ
5年ぶりのリーグ優勝が至上命題となる巨人、丸の出身地・千葉を本拠地とするロッテなど、複数球団が手を上げるとみられる。

 「今のところ何も決めていない。まだ日本シリーズが終わったばっかりで、正直あまり考えていない。とはいえ期間があるんで、しっかり考えたい。複数球団が興味? 示してもらわないよりは、いいんじゃないですか」と
淡々と答えたが、実は夕刊フジは丸について気になる情報を得ていた。

 地元広島の飲食店オーナーが「丸の家族はすでに関東に引っ越したそうだ」というのだ。さらに広島の球団関係者も「全然違うところから、それと同じことを聞いた」と証言。本当だとすれば、丸はすでに関東の球団への
FA移籍を決意し、すでにその準備に入っているということなのか。

 夕刊フジは報道陣の輪が解けるのを待ち、丸を単独で直撃。「ご家族が引っ越されたと、複数から聞いたのですが?」と聞いた。

 「そのウワサ、どっから出たんですか?」

 一瞬驚いた表情を浮かべた丸だったが、「ウワサはウワサでしかないんで…」とだけ言い残すと、特に強く否定することもなくタクシーに乗り込んだ。

 丸の今季年俸は2億1000万円(金額は推定、以下同)。広島は出来高込みで4年総額17億円を提示し引き留めに躍起とみられる。巨人はそれ以上の大型契約を
用意しているともいわれるが、ある広島OBは「去就のポイントは金額ではなく、契約年数」と指摘する。

 「あれだけの実績があるのだから、どこの球団だってそれなりの金額は用意する。だが、丸には来年小学校に入学する子供がいて、その教育環境の安定を最優先に考えている。そのために、5年以上の長期契約を希望しているようだ。
家族思いだけに、今後所属チームがコロコロ変わる可能性を消しておきたいのが本音だろう。ダメなら移籍も辞さない構えと聞いた」

 仮に5年以上の“超長期契約”となれば、広島も大きなリスクを背負うことになるが、交渉の結果、どんな結論が出されるか。

 また、今月2日には巨人が橋本到外野手(28)を楽天へ金銭トレードで放出。丸と同年代(丸が1歳上)で、同じ右投げ左打ちの外野手とあって、球界関係者の間では「丸獲得のメドが立ったからこそ、
整理したのではないか」とささやかれた。

 一方、丸をよく知る球界関係者は「移籍を決断した場合、最有力候補となるのは巨人だろうが、心配だ。横浜(現横浜DeNA)から移籍した村田(修一=来季巨人ファーム打撃コーチ)は数年活躍もしたが、
ちょっと不振が続けばあっさり自由契約。それなら広島で生え抜きとして愛され大事にされた方がいいのではないか」と語る。

 FA有資格者が権利を行使する手続き期間は5日から始まり、土日を除く7日間以内で、13日に締め切られる。FA宣言選手は14日に公示され、15日から全球団との交渉が可能になる。FA宣言した上で広島に残留するケースも
ありうる。

 走攻守そろったスラッガーでチームの精神的支柱にもなりうる男の熟考のタイムリミットは、刻一刻と迫っている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181106-00000009-ykf-spo