格闘技イベント「RIZIN.14」(12月31日、さいたまスーパーアリーナ)にプロボクシングの元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)が参戦し
“キック界の神童”那須川天心(20)と対戦すると5日、発表された。
超高額ファイトマネーで注目を集めてきた史上最強ボクサーは、今回の一戦で手にする金額も100億円に及ぶ可能性があるという。
ルール問題も含め、世界中で話題を呼ぶ一戦となりそうだが、その舞台裏を徹底追跡した。

「東京に再び来ることができて、幸せだ。これからはもっと頻繁に日本に来たい。RIZIN参戦がかなうのは自分にとって喜びだ」。
那須川との「スペシャルチャレンジバウト」が決まったメイウェザーは真っ赤なジャージーに身を包み、笑顔で「これまで、プロとして米国を飛び出して能力を見せることがなかった。
世界に見せたことがないものを日本で見せたい」と意気込みを語った。

突如実現する「世紀の異色マッチ」で注目されるのは、やはりファイトマネーだろう。
今年6月に米経済誌「フォーブス」が発表した「世界で最も稼ぐスポーツ選手」で1位に輝き、その年収は300億円を超える。
高額なファイトマネーが毎回話題となり、ニックネームもずばり「Money」だ。それだけに「払えんのか!?」という話になる。

RIZINの榊原信行実行委員長(54)は今回のギャラを問われ「10年前、UFCにPRIDEを売ったんですけど、その時のお金がちょっと残っていたから、それで買いました。
いつも100万円もらっている人が、1万円では試合しないっていうことは確かです。それ以上は想像にお任せします」
とけむに巻くが、その後の本紙の調べでは報酬総額が100億円にも達する可能性があることが分かった。

そのうち、RIZIN側が支払うファイトマネーは約70億円(金額は推定)。一部関係者によると、メイウェザー側はそこに全世界で中継されるPPVなど放送利益の分配を加えて100億円を得ることを目指しているという。
2015年に行われたマニー・パッキャオ(39=フィリピン)との「世紀の一戦」で両者のファイトマネー合計が300億円超、
昨年に行われた総合格闘技イベントUFCのスター、コナー・マクレガー(30=アイルランド)との一戦での約300億円に比べれば下回るものの、PRIDE時代を通じても桁違いな超高額マネーに変わりはない。

RIZIN関係者は今後の金策の一端として「北米の市場も開拓しないと。放送関係の交渉は始めているが、米国でメインスポンサーを探すことが早急に必要になる」と明かした。

何より注目されるのは「そもそも試合が行われるのか?」ということ。日本格闘界では過去に「マイク・タイソン参戦」が何度か発表されたものの、実現には至らなかった。しかし榊原委員長は「サインしています。
契約書も交わしています」ときっぱり。別の関係者も「大みそかに試合をする、この点は契約を交わしているから大丈夫です。あとはルールで合意するだけ」と“口頭契約”でないことを強調した。

メイウェザーと合意したのは10月下旬。契約体重とルールは現時点では未定だが、先に参戦を持ちかけたのは日本でのビジネスチャンスを探っていたメイウェザー側で、
9月30日の「RIZIN.13」をきっかけに接触を試みたとの情報もある。それだけに、今後よほどルールや金銭面などでもめない限り“ドタキャン”の可能性は低い…と信じたい。

不確定要素は少なからず含んでいるものの、世界的カードの発表までこぎつけたことは確か。榊原委員長は「平成最後の『やれんのか?』ですよ。
人生、バクチですから自分の人生を賭けてつかみにいった。誰かがリスクを取らないと、物事はスタートしないじゃないですか。
リスクを取って、覚悟を持って動くしかない」と悲壮感すら漂わせた。
ルール問題に超高額なファイトマネーと、まさに舞台裏でも様々な伝説を残した「猪木―アリ戦」の平成版の様相を呈してきたことは間違いない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181106-00000037-tospoweb-fight
11/6(火) 16:45配信