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当時の椎名林檎のインタビュー読めば、いかにアホな記事かわかろうというのもの



 ――「NIPPON」というタイトルからか、「右翼的」「愛国ソング」などとネットやメディアで話題になっていましたね。

 ねえ。お騒がせしてすみませんでした。まさか、そんなことになるとは。組み合わせの妙だったんでしょうね。
「混じり気」という歌詞だとか、「ニッポン」という読ませ方だとか。以前にも「日本(にっぽん)に生まれて」という曲をつくっていて。
「っ」という促音便、グルーブを生むような読み方を選びがちなんですね。そういうことが相まって、疑わしく思われてしまったんだろうなと思います。

 でも、いま大戦中でもないのに、人に「どっちなんだ!? 右なのか、左なのか」と問うこと自体、ナンセンスだとは思います。難しいですよね。はかりづらいし。

 ――両面あるかもしれないし。

 そうですね。

 ――あたかもイデオロギーの踏み絵を迫るような。

 踏み絵ですよね。完全に。

 ――極端に言うと、「大江健三郎は左翼的だから読まない」「三島由紀夫は右翼的だから読まない」みたいな。

 同じですよね。でもすごくつまんないと思います、それは。私が聴いていただきたいから、というわけじゃないですけど。
自分が嫌いな相手にまで好かれたいとは思わないですし。縁がない人たちがおっしゃってる、というだけですから。

 ただ、(批判は)ちょっと文脈がズレてると思うんです。タイアップはさておき、一つの曲としても全然そんなことは書こうと思ってないから。
そういう読解力の方とは、縁がないって思っちゃう。

 ――「NIPPON」のジャケットに日の丸をあしらっているからですかね。

 ああ、そうかそうか。なるほど。

 ――拡声機を持っている写真が右翼的だと言う人さえいます。拡声機を使ったパフォーマンスは以前からされていたと思いますが。

 とにかく、否定する材料を探したいんでしょうね。色々言おうと思えば言える材料がたまたまそろっているから、面白おかしくおっしゃりたいんじゃないでしょうか。
それで私の何が奪えるというのだっていう感じですよね。