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ドラフトの1位入札はゼロ、クジで外した球団が8つもありながら、日本ハムの単独指名だったのが金足農の吉田輝星だ。

 栗山監督は「(1位入札だった)根尾と吉田の評価は一緒だった。どっちでいくか、4時間以上の会議で、最後まで詰めた」と言った。根尾と吉田は最後の最後まで、甲乙付け難かったということだ。

 夏の甲子園準優勝投手にして、人気や知名度はバツグン。だが、日本ハムが根尾と同等、他球団以上に吉田を評価したのはその意志の強さ、プロで生きていくうえでの覚悟だという。

 吉田は当初、八戸学院大に進学予定だった。高2から指導を受けた八戸学院大の正村監督を前にして、「お世話になります」と頭を下げたこともある。

 夏の甲子園で結果を出し、U18で日本代表のユニホームを着て投げているうちに気持ちは大きくプロ入りに傾いたものの、父親や吉田の恩師でもある金足農の嶋崎元監督は最後まで「大学進学」を勧めた経緯がある。

「日本ハムは周囲の説得を振り切ってプロ入りの結論を出した吉田の意欲や意志の強さを買ったと聞いています」と、ある日本ハムOBがこう続ける。

「プロを選択すれば、結果として八戸学院大の正村監督や正村監督を秋田に呼んだ嶋崎元監督らの顔を潰すことになる。東京や大阪などと違って地方はしがらみも強いですからね。けれども吉田はそういったものに左右されず、自分の意志を貫いてプロ入りを選んだ。何が何でもプロでやりたいという意欲や、プロの世界でメシを食っていく覚悟が他のドラフト候補以上にあると日本ハムは判断したのです。ここはドラフトで選手を獲得する際、実績や数字をうのみにせず、数字に表れない部分もかなり重要視しています」
 
ダルビッシュ(現カブス)、中田、大谷(現エンゼルス)、清宮らに続いて吉田も獲得。日本ハムは甲子園で活躍したスターばかり集めていると言われるが、人気や実績だけで選手を取っているわけではない。それなりの根拠があって指名しているというのだ。

2018年10月31日 12時0分
日刊ゲンダイDIGITAL
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