10/23(火) 8:02配信 デイリー新潮

医師の父は内心複雑? 根尾の6球団競合

 吉田とは逆に、より評価を高めたのが、大阪桐蔭、根尾昂(あきら)。ショートでクリーンナップを務めるなど攻守の要ながら、投手としても150キロを投げる驚異の「二刀流」である。

「しかも、マジメで頭も良いという、“非の打ちどころがない”選手です」

 とは、ノンフィクションライターの柳川悠二氏。

「彼は岐阜の出身ですが、両親は医者。それも『Dr.コトー』のような僻地診療所の医師です。中学時代、オール5だったというのは有名な話ですが、ピッチング練習の時も何事か呟きながら投げる『理論派』です。遅くまで室内練習場に残り、部屋に帰ってもストレッチに励む、練習の虫でもある」

 もともと高校No.1選手と言われていたが、評価はうなぎ上りで既に「1位指名に6球団競合」と書くスポーツ紙も出たほどだ。

 安倍氏も言う。

「春頃、根尾くんにバッティングについて、アドバイスをしたことがありました。そしたら、“ビビッと来ました”“すごく打ちたくなってきたんで、15分だけ時間をいただけますか”と言って、練習に行ってしまったんです。“明日からやってみます”というのは普通ですが、今ここで、というのが根尾。狂気を感じました」

 兄も医学部生、姉も看護師という、まさに「医者一家」の根尾家だけに、父も彼に同じ道を望んでいたというが、ここまで野球に秀でてしまえば、それも詮方無いことか。内心複雑な思いであるかもしれないが……。

引きずる“虎ウマ”

 この吉田、根尾と並んで「高校BIG4」と評されたのが、大阪桐蔭の藤原恭大(きょうた)と、報徳学園の小園海斗(こぞのかいと)。いずれも1位指名が予想されている。

「藤原は甲子園通算5本塁打の強打者で足も速い。根尾と反対に、押しが強く、目標を公言するタイプで、早くから“ドラフト1位でプロに行きたい”と言っていました」(柳川氏)

 家庭環境もこれまた対照的で、藤原の父は、機械プラントの会社を経営する傍ら、焼き鳥屋も営む。母も元モデルの華やかな人だとか。

 他方の小園は、

「俊足巧打で、プロでも打率3割、30本塁打、30盗塁の『トリプルスリー』が狙える存在」(安倍氏)

 父は整体院を営み、母は元女子サッカーリーグの選手だったという。

 実は、この2人、中学時代、同じチームに属し、家族ぐるみの付き合いだとか。

 藤原の父に、ドラフト直前の心境を尋ねると、

「僕は緊張していますが、息子は“やることはやったんで”と落ち着いています。昔からソフトバンクの柳田選手に憧れていましたが、息子も誰かの憧れとなる選手に育ってほしいですね」

 どの球団が指名するのか注目だが、

「実はエリート高校生に敬遠されているのが、阪神に指名されることなんです」

 とは、先のデスクである。

「阪神はここ数年、若手がほとんど育たず、“育成できない球団”との評価が定着しています。とりわけ大阪桐蔭の関係者は“あそこには絶対に行かせたくない”と漏らしている。かつて4番だった萩原誠は鳴かず飛ばずで終わり、エースだった藤浪晋太郎もここ数年、成績が振るわず……」

 阪神に潰された。関係者はそんな“虎ウマ”を引きずっているそうだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181023-00550544-shincho-base&;p=2