日本のプロスポーツ界の外国籍選手枠が転換期を迎えています。バスケットボール・ B リーグとラグビー・トップリーグは今シーズンから枠を広げ、サッカー・Jリーグも来年からの拡大が検討されています。国内リーグの外国籍選手枠拡大について考えます。

拡大する外国籍枠は時代の流れに合った施策

「戦略ありきで、基本的には賛成です」

横浜DeNAベイスターズ初代球団社長で、スポーツ庁参与を務める池田純氏は、日本国内のプロスポーツリーグのこうした動きを、「時代の潮流に合っている」という理由で肯定的に見ていると言います。

「外国籍選手枠を広げることで、日本人選手の強化に悪影響がある、若手選手の育成に支障が出る、外国籍選手ばかりになることをファンは快く思わないかもしれない…などのネガティブな要素を挙げて反対する人の意見もわかりますが、プロリーグとして生き残っていくためには、マーケティング目線で『時代の潮流は変わる』という考え方で、現代に合った戦略を再考するのは当然です」

池田氏は、プロスポーツリーグとして生き残っていくためには、多様性、ダイバーシティが求められている時代のニーズに合わせて、ルールも変わっていくべきだと主張します。

「鎖国とまではいかなくても、自国の選手を守るという意味で外国籍選手の出場に制限を設けることは、これまでは当たり前でよかったのかもしれません。しかし、これだけ世の中が急激に変わり、世界で活躍する“日本人”アスリートの定義についての論争も起きていることを考えたら、スポーツのプロリーグも変わっていかざるを得ない。欧米に比べたらまだまだですけど、これから日本でもある種の移民文化みたいなものが一気に加速していくと思います。そういった時代の潮流、コンテクストの中で、日本国内だけを見るのではなく世界やアジアを見据えた戦略のもと、外国籍枠という枠組みをどう捉えていくのかを考えなければいけませんよね」

池田氏は続けて、外国籍枠の拡大によって失われるものより、リーグ全体が受ける恩恵の方が大きいのではないかと指摘します。

つづく

10/23(火) 12:10配信 ビクトリー
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