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ポケットモンスターの主人公「サトシ」の声優として活躍する松本梨香。アニメの放送開始から21年。真っ直ぐ夢に向かうサトシであり続ける彼女の声は力がある。なぜか? 彼女には「夢、途中。目の前が真っ暗になった」経験があるからだ。女優を目指し、養成所に通っていた19歳のとき病に倒れ、ドクターストップがかかった。復帰は難しい。そんな中、彼女を救ったのが、盟友の言葉と声の仕事だった。【BuzzFeed Japan / 嘉島唯】
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■19歳、兄の死とドクターストップ

「小さい時からずっと主演女優賞を獲る! 座長になる! それしかなかったです」

劇団の座長を務める父の背中を見て育った松本の夢は、舞台女優だった。いつか父の劇団を継ぐ。物心ついた時から決めていた。

養成所に入り、演技を本格的に学ぶ。同級生と切磋琢磨しながら、本格的に舞台女優として活動をはじめた矢先、病に倒れた。19歳だった。

「舞台で全国を回っている時に、体調が悪くなっていって、各地の病院に行ったのですが、肺炎とか風邪だとか、そういう診断でした」

次第に痙攣が起き、睡眠もとれなくなり、起き上がることさえできなくなった。忸怩たる思いで舞台を降板し、地元の病院へ行くとこう言われた。

「ステージには立たないでください。死んでしまいます」

ちょうどその直前、松本は兄を亡くしていた。生まれつき体が弱く養護学校に通っていた兄は、松本の人間性の基礎を作った存在だった。

兄がいじめられていると耳にすれば、飛んでいって戦いに行く。上級生であろうと、大人であろうと、「そういうのは良くないんじゃないか」と自分なりの正義感を持って抗議した。

「小さい時から、兄というフィルターを通して世の中を見ていました。人は彼にどういう対応をするのかすごく敏感になっていて、私が守らなきゃという使命感にかられていました……サトシと一緒ですね」

兄がいたからこそ、明朗活発で正義感に燃える自分ができた。「父の跡を継ごう」と表現の道へ進んだのも、彼の存在が大きかった。

そんな兄が他界し、悲しみに明け暮れている最中に自身も病を患う。幸い危篤状態から抜け出したものの、女優生命が絶たれるわけにはいかなかった。兄のためにも父を継がなければならなかったからだ。

医師は「何十年もかけてゆっくり治しましょう」と言う。でも、舞台に立たなければ女優としては「死んでしまう」。反対を押し切り、副作用の強い薬を処方し、治療に専念した。

朝昼注射、点滴は3本、薬は10種類……とにかく早く退院したかった。舞台に立つことはできない。でも、なんとかしたい。ベッドの上で毎日考えた。

そんな松本のもとに来たのが、養成所の同期である山寺宏一だった。山寺は、レッスン時にコンビを組むことも多く、松本にとって切磋琢磨する相方だった。

「今日さ、初めてレギュラーが決まったアニメが放送されるんだよ。俺も頑張ってるから見て欲しい」

舞台一辺倒だった松本だが、山寺の存在によって「声」の仕事を知る。テレビを見ていると、確かに友人が生命を吹き込んでいた。表現するのは舞台だけではなかったのだ。

「私にもできるかな?」

山寺に相談する。返ってきた答えは「お前ならできるよ」だった。

マサラタウンから来たような、元気でハツラツとした「女の子」

赤信号の最中、立っているのもギリギリ。耳も上手く働いてくれない。遠くで音が鳴っていた。そんな状態だったが、退院後、さっそく事務所へ向かった。

しばらくは舞台に立てない。じゃあ私に何ができるんだろう? 久しぶりに顔を合わせたマネージャーが不意に言う。

「これから『おそ松くん』のオーディションの現場に行く」

こう言うしかなかった。「私もやりたい」

はじめてのアニメ現場。これまで舞台上から観客に向けて演技をしていたのに、ここではマイクに向かって話す。

以下見出しのみ 全文はソース先で

■ダジャレで射止めたサトシ

■サトシは永遠に10歳だけれど、ずっと彼であり続けれる理由

10/21(日) 22:07
BuzzFeed Japan
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