「遺書を見て、自殺の理由が多香子さんにあることはすぐにわかりました。でも、葬儀の準備や、静かに見送ってあげたいという思いしかなく、自分たちの心だけに留めようとなったんです。遺書にはぼくたち家族に向けて
《あまり多香子を責めないでやってください》という最後の願いが書かれてましたし、母も “森脇家に嫁にきたんやから、最後まで守ってやらなあかん”って。遺書は多香子さんやET-KING関係者のほか、
すぐに駆けつけてくれた今井絵理子さん(33才)も読みました」


「両親もぼくも、自殺はあかんもんやと思っていましたし、みんなに迷惑かけて、みんなが傷ついて悲しい思いをしてる上に、自殺の真相なんて話す気にはなられへんかった。母は多香子さんに、“籍を抜いていいよ”と
ことあるごとに言っていました。それは縁を切るという意味ではなくて、あくまで乗り越えていってほしいという思いからやったんです」(義宏さん)


 TENNさんの家族には、上原の熱愛が「TENNさんの死を乗り越えて」と評価されたことも重荷になった。

「“ようやく立ち直った”とか書かれてるのを見たとき、どっと脱力感に襲われました。もともと格差があったとされていますが、多香子さんのこういうニュースが出るたびに、天国の兄は毎回ひどい言われようを
してしまうんやとしたら、どうにもいたたまれなくって。父や母の憔悴ぶりを見ると悔しくて…」(義宏さん)