■片岡ヘッド兼打撃コーチ 中谷&大山を一人前に!右打ち完全習得へ
https://www.daily.co.jp/tigers/2017/10/25/0010673684.shtml

2017.10.25.

阪神・片岡篤史ヘッド兼打撃コーチ(48)が24日、今シーズン台頭した中谷、大山らレギュラー候補を一人前にすると誓った。
飛躍への重要ポイントは、勝負どころで得点につながる「右打ち」の完全習得。
金本タイガース3年目の新参謀が、変わらぬ熱血指導で成長を促していく。

今後の方針として「右打ち」の徹底を一つのテーマに挙げた。
シーズン中、またCSでの戦いを通して感じた必要不可欠な部分。
中谷と大山はこの日のフリー打撃、特打と逆方向に飛ばすスイングを反復した。
一発が持ち味の中谷は214スイング中、柵越え0本。
片岡コーチはその姿をじっと見つめていた。

「今シーズン、セカンドゴロというのがあまりなかったと思う。打てるような形、そういう知恵も技術になってくると思うから」

今季の315アウトのうち、二ゴロはわずか8個。
年間30本塁打を目指す一方、勝つためには進塁打を打つ技術も必要で、それが打撃力向上にも結びつく。
中谷は「しっかり取り組みたい」と気合を入れ、大山も「いろいろ試していきたい」と力強く語った。

片岡コーチは、来季からヘッドコーチ兼打撃コーチとしてチームの根幹を支える。
「経験がある高代さん、平田さんがおられますので。そういう方の力も借りながらね」。
信頼する仲間と共に、チーム強化に全力を注ぐ。
目指すは、日本一だ。

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■右の大砲候補の「右打ち」意識が仇に
https://www.sankei.com/sports/news/181011/spo1810110027-n1.html

2018.10.11

阪神の今季のチーム本塁打数は85本でリーグワースト。
生え抜きの若手野手の育成こそ金本監督に課せられたテーマだったが、「1人育てるのがこんなに大変なものか…」と振り返る。ホームグラウンドは本塁打が出にくい、広い甲子園。長打力ばかりを求めることにも限界があった。

昨年のシーズン直後の秋季練習では、中谷や大山が懸命に「右打ち」を習得しようとする姿があった。
25歳の中谷は昨季20本塁打を放ち、待望の右の大砲候補として頭角を現していたが、「ケース打撃で二ゴロを打てといっても打てない」と片岡ヘッド兼打撃コーチ。
走者二塁の場面なら二ゴロで凡退しても三塁へ進めることができる。
得点力アップに向け、首脳陣はそうした進塁打の意識を植え付けようとした。

若手にも打席での状況判断を求め、ワンランク上の選手に育ってほしいという首脳陣の願いがあったが、経験が浅い選手に戸惑いはなかったか。
中谷はオープン戦で結果を残せず、まさかの開幕2軍。
2カ月近く1軍に昇格することができず、他球団のスコアラーからは「糸井と福留は左打者なので、右の大砲がいないのはくみしやすい」という声も聞かれた。

開幕オーダーに名を連ねた2年目の大山も伸び悩んだ若手の一人。
開幕直後に本塁打を2本放ったが、やはり右方向への打球だった。
5月以降は不振に陥ってレギュラーに定着できず、3号が出たのは9月5日。
その後は本塁打を量産したとはいえ、チームの優勝が絶望的になった後だった。

中谷や大山は来季こそ中心打者への成長が期待される。
金本監督は「そうなればいいけど、まだまだ若い力。うまくいくまでは(糸井や福留ら)主力が力を出してくれないと」と複雑な表情を浮かべる。
10日のDeNA戦では六回に代打で登場した中谷が観客もまばらな左翼席に一発を放り込んだ。
こうした豪快なスイングこそ、ファンが期待した若トラの姿ではなかっただろうか。(阪神取材班)

阪神の金本監督の今季限りの辞任が決まった。
2年前には「超変革」のスローガンの下で若手が台頭したが、その後は伸び悩み、打線の中軸を担う選手が育っていない。
その原因はどこにあったのかを探る。